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四季折々の花々が彩るお薬師様の霊地

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びゃくごうじ

白毫寺

兵庫県丹波市

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兵庫県丹波市に伽藍を構える白毫寺は、慶雲2年(705)に創建された古刹。現在の兵庫県を中心に様々な逸話や伝説を残す法道仙人によって創建されました。法道仙人とともに天竺(現在のインド)から伝えられたという秘仏御本尊・薬師如来様を中心に境内が整えられ、春には九尺ふじが、秋には紅葉が境内を彩ります。
  • 薬師堂
  • 薬師堂・心字池

巡りポイント

春には九尺ふじ、秋には紅葉が境内を彩ります。境内には俗世と仏の世界の境を表す「心字池」が築かれ、境内に広がる四季折々の花々の姿を清らかな水面にうつしています。

薬師堂(総本堂)

  • 薬師堂(総本堂)
    薬師堂
  • 薬師堂(総本堂)
    薬師堂内陣
  • 薬師堂(総本堂)
    お前立・薬師三尊像(中央:薬師如来立像)
  • 薬師堂(総本堂)
    お前立・薬師如来立像
  • 薬師堂(総本堂)
    木造日光菩薩立像
  • 薬師堂(総本堂)
    木造月光菩薩立像
  • 薬師堂(総本堂)
    木造十二神将立像
  • 薬師堂(総本堂)
    木造十二神将立像
  • 薬師堂(総本堂)
    木造法道仙人立像
  • 薬師堂(総本堂)
    木造法道仙人立像
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法道仙人とともに天竺から来られたお薬師様

薬師堂は、御本尊様をまつる白毫寺の中心となるお堂。建立は江戸時代と推定され、周囲には現在の建物以前の薬師堂の礎石が残されている。

 

堂内中央には、秘仏御本尊・薬師如来様がおまつりされている。薬師如来様は、法道仙人とともに天竺(現在のインド)から日本へ来られたと伝えられている仏様で、すらりと立つ立像のお姿をされており、三十三年に一度の御開扉とされる秘仏である。

 

御本尊様がおまつりされている厨子の前には、お前立の薬師如来様や日光菩薩様・月光菩薩様をおまつりするほか、厨子の左右には頭上にそれぞれの干支を乗せる十二神将様をおまつりし、御本尊様を守っている。また、現存作例の少ない法道仙人の立像もおまつりされている。

感想■御本尊様の左右におまつりされている十二神将様が印象的でした。それぞれの頭上に干支の動物が乗っていて、どの干支に当てはまるのかすぐ分かりました。様々な表情やポーズがとても興味深かったです。

太鼓橋(丹波市指定文化財)

  • 太鼓橋(丹波市指定文化財)
  • 太鼓橋(丹波市指定文化財)
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俗世と仏の世界を繋ぐ美しい橋

太鼓橋は、薬師堂の前に築かれている『心字池』に架かる橋。急勾配な木造の橋で、江戸時代の元禄年間頃に建立されたと考えられている。

 

御本尊様がおまつりされている薬師堂側を仏の世界、心字池の手前を俗世と見立て、太鼓橋を通ることで誰もが仏の世界へ歩みを進めることができるという意味が込められており。太鼓橋の急勾配は、仏の世界への道のりの厳しさを表現しているとされている。

感想■人間の世界と仏の世界を結ぶという太鼓橋が印象的でした。特に、この時期は紅葉と合わさって非常に美しかったです。 名所の太鼓橋はなだらかな弧を澄んだ水面に映し、その袂に寄りそう紅葉と銀杏が、深い朱と黄金を溶かし合わせるように彩りを重ね、景色に品のある韻味を添えていました。

心字池

  • 心字池
  • 心字池
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『心』の字を表し清らかな水をたたえる

心字池は薬師堂の前に築かれている4つの池の総称。4つの池を上から見ると『心』の字を表している。

薬師堂前に築かれた心字池は、仏の世界と俗世をわかつ境界であり、清らかな水の中をゆったりと魚が泳いでいる。

感想■心字池に満たされている水は驚くほど綺麗で、「心」の文字を表す心字池には本当に心が洗われる思いでした。

本堂・山門・陰陽の庭・枯山水庭園(本堂前)

  • 本堂・山門・陰陽の庭・枯山水庭園(本堂前)
    山門・フジバカマ
  • 本堂・山門・陰陽の庭・枯山水庭園(本堂前)
    本堂(回向本堂)
  • 本堂・山門・陰陽の庭・枯山水庭園(本堂前)
    枯山水庭園(本堂前)
  • 本堂・山門・陰陽の庭・枯山水庭園(本堂前)
    木造阿弥陀如来坐像
  • 本堂・山門・陰陽の庭・枯山水庭園(本堂前)
    木造阿弥陀如来坐像
  • 本堂・山門・陰陽の庭・枯山水庭園(本堂前)
    木造阿弥陀如来坐像
  • 本堂・山門・陰陽の庭・枯山水庭園(本堂前)
    布袋像 新丹波七福神霊場
  • 本堂・山門・陰陽の庭・枯山水庭園(本堂前)
    布袋像 新丹波七福神霊場
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白毫寺の往時の姿を伝える名庭が広がる

現在の白毫寺の本堂と庫裏は、かつて白毫寺の住職が居住していたという白毫寺の本坊・圓照院(えんしょういん)の建物である。中世の白毫寺には、93坊の僧房が軒を連ね隆盛を極めていたという。戦国時代の丹波攻めや明治時代の廃仏毀釈運動により、残念ながら僧房は廃されてしまった。

 

本堂には阿弥陀如来様や新丹波七福神霊場の札所本尊である布袋様をおまつりしている。

 

本堂の周辺には様々な庭が築かれている。

特に本堂の右手に築かれた庭は、『陰陽の庭』と呼ばれ、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて整備された庭と考えられている。5月頃にはセッコクが庭を彩るという。さらに、本堂の前に築かれている枯山水の庭園は、江戸時代頃に築かれた庭園ではないかと推測されており、石組で鶴と亀を表しているという。

感想■往時には、93坊の僧房が軒を連ねていたとお聞きしました。往時の白毫寺がどのような姿をしていたのか、本堂の周囲に広がる名庭を見つめながら想いを馳せました。

熊野権現社

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銅の採掘で栄えた当地を見守る

熊野権現社は薬師堂の裏にひっそりと建つ。

 

天正年間(1573-1592)、白毫寺の周辺の山は銅鉱山として知られ、紀伊国(現在の和歌山県)から当地へ移り住んできた橋爪一族によって採掘が行われていた。橋爪一族は採掘の安全を祈り、出身地である紀伊国から熊野三山の神々を勧請してまつったという。

感想■なぜ白毫寺に遠く離れた熊野三山の神々がおまつりされているのか不思議に思っていました。紀伊国から当地に移住した橋爪一族が過酷な採掘の安全を祈って熊野の神々をまつったとご住職からお聞きした上で木々の間にひっそりと建つ熊野権現社の姿を見ると、数百年間当地に暮らす人々を見守り続ける神々の穏やかさを感じました。

石造宝篋印塔(兵庫県指定文化財)

  • 石造宝篋印塔(兵庫県指定文化財)
  • 石造宝篋印塔(兵庫県指定文化財)
    最上部から宝珠・請花・九輪・請花・伏鉢・笠
  • 石造宝篋印塔(兵庫県指定文化財)
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  • 石造宝篋印塔(兵庫県指定文化財)
    塔身
  • 石造宝篋印塔(兵庫県指定文化財)
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領主・赤松貞範(あかまつ さだのり)の菩提を弔う

薬師堂への参道を途中で右に曲がった先にたたずむ石塔。

 

凝灰岩を用いて造立されており、貞治4年(1365)に建立されたという銘文が刻まれている。宝篋印塔の上部から下部まで(九輪から笠、塔身、台石まで)建立当初の石材がほとんど欠けることなく残っている点が貴重であるという。

 

白毫寺の宝篋印塔には、珍しい点が複数あるという。1点目は九輪の下部にある伏鉢。伏鉢の側面が八角に加工されている点は珍しいという。2点目は、九輪上端から隅飾りにかけてかつて垂飾(すいしょく)が施されていた痕跡が残されている点。3点目は、笠の下部が段状ではなく蓮弁となっている点。

 

このような点を持つ宝篋印塔は、類例が少なく貴重なことから、兵庫県の文化財に指定されている。

感想■約600年前に建立された石塔が欠けることなく伝えられていることに感動しました。近づいて細部を見てみると、ダイナミックな蓮弁や繊細な種字など見どころが非常に多く、大切にされてきたことが分かりました。

藤の花の名所・白毫寺

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約120メートルの藤棚を藤の花が彩る

本堂の隣にある広場には、約120メートルのL字型の藤棚が設けられている。藤棚には、「九尺ふじ」という房が長い品種が植えられており、毎年5月頃には、迫力ある美しい花が咲き、境内を彩る。

 

先代住職の頃より、『四季を通じて、誰もが気軽に訪れることができ、心を落ち着かせることのできるお寺にしたい』という目標を掲げ、境内に藤の花やモミジ、桜などを植え、整備を行っているという。

感想■今回は藤の花を見ることはかないませんでしたが、藤棚の長さと植えられている藤の生命力に驚きました。いつか、藤の花が彩る5月頃に再訪したいです。

孔雀

  • 孔雀
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仏教の守護神が参拝者を迎える

山門の脇に孔雀が飼育されている。毒蛇をも食べる孔雀は、仏教では一切の苦厄を取り除く守護神とされるという。

感想■お寺の境内で生きた孔雀と出会えると思ってもみませんでした。孔雀が仏教の守護神とされているとお聞きし、身近なところに秘められている仏教の思想に興味を抱きました。

report

学生レポート

龍谷大学 2年

法道仙人により開かれたという白毫寺様の深い縁起と、秋の紅葉や美しい水が流れる池、孔雀や鯉といった生物が迎えてくれる境内の美しさに触れ、身も心も癒されました。四季を通じて楽しめる花々が植えられているのは、「お寺は本来気軽に訪れられる場所であるべき」というご住職様の細やかなお心遣いがあってのことと知り、人を思う気持ちが細部にまで現れていることを知りました。また、「池は俗世と聖なる領域を区切る結界」であるというお話から、 ただ心を癒すツールとして作られたのではなく、仏教の意味あってのものと知り、境内の光景がさらに意義深いものになりました。生きているうちに聖なる場所を訪れる体験を通じて、自身の行いや人生を振り返ることができる、貴重な場所でした。
 
そして何よりも、ご住職様の「一隅を照らす運動」に関するお話が心に深く刻まれました。 私自身、今年から始めた茶道や課外活動に追われ、以前より勉強時間が確保できていないことを恥じる気持ちがあったのですが、勉強以外の学びを「素晴らしいこと」だと肯定してくださったお言葉で、自分は無駄に時間を使っているわけでもないし、活動を 通じて新たな視野を得られているのだから恥じることはないかもしれないと思うようになり、ご 住職様のお言葉が自分で自分を肯定するきっかけとなりました。
「仏教は生きている人が心を癒し幸せになる為にあり、絶対平等の教えである」ということを胸に刻みながら、心を磨く努力を怠らず、自分を誇れる人になりたいです。

history

ご由緒

慶雲2年(705)に法道仙人によって創建されたと伝えられている。創建の際、法道仙人は天竺(現在のインド)から共にした薬師如来を御本尊としたという。その際、薬師如来の眉間にある白毫から瑞光が放たれていたため『白毫寺』と名付けられたという。 その後、唐への留学から帰国した慈覚大師円仁が白毫寺を訪れ、周囲の山並みが唐の五台山と似ていたことから山号を『五台山』と命名したという(後に現在の『五大山』へと改称)。その際、慈覚大師円仁が寄進したという五種鈴(兵庫県指定文化財)が伝えられている。 周辺に銅山があり採掘が盛んに行われたこともあり、中世には93坊の僧房が軒を連ね大いに隆盛したと伝えられている。しかしながら、戦国時代の丹波攻めにより全山焼失してしまったという。その後、人々のあつい信仰に支えられ復興され、現在では四季折々の花々が境内を彩る花々の名所として多くの人々が集う。

info

参拝情報

名称
五大山白毫寺
(ごだいさんびゃくごうじ)
所在地
兵庫県丹波市市島町白毫寺709
googleMAP
参拝時間
9:00~17:00
拝観料
■一般:300円
※団体割引あり(20名以上)お一人あたり200円
■高校生以下:無料
【注意事項】
カメラ撮影グループや団体等の入山につきましてはご連絡をお願いいたします。
宗派
天台宗
御本尊
薬師如来
宝物殿
なし
アクセス
■公共交通機関
JR福知山線『市島駅』下車。タクシーで約8分。

■車
舞鶴自動車道「春日IC」より福知山方面へ車約10分。
※藤のシーズンは周辺道路が大変混雑致します。マイカーを控え、公共交通機関をご利用下さい。
駐車場
あり
Webサイト
http://www.byakugouji.jp/
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