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四季を通じて花々に彩られる創建1370年以上の古刹

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こうぞうじ

高蔵寺

兵庫県丹波篠山市

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黒豆で有名な丹波篠山市。そんな丹波篠山市に伽藍を構える紅葉で有名な天台宗寺院3ヶ所が「丹波篠山もみじ三山」を発足しました。そのうちの1ヶ寺・高蔵寺は、発足以来多くの参拝者を集めています。創建1370年を越える歴史を彩るように、高蔵寺には美しい仏像や風景が広がります。

巡りポイント

1370年以上の昔、現在の兵庫県一帯で活躍した法道仙人という僧侶により創建された高蔵寺。幾多の天災や戦乱に巻き込まれながらも復興が続けられてきました。ご住職やたくさんの人々が協力して整備が続く境内には、四季折々の美しい光景が広がります。

本堂

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大和・長谷寺のご本尊と同じ木から造立されたと伝わるご本尊

1714年に建立された高蔵寺の本堂。その中央には、金色に光り輝くご本尊のお前立ち像と人の背丈を超えるほど大きく精緻な彫刻が施された大きな厨子が参拝者を迎える。高蔵寺のご本尊は十一面観音立像。高蔵寺に伝えられているところによると、奈良県・長谷寺の本尊・十一面観音立像の末木で造立されたという。造立した仏師も長谷寺と同様に、稽文会(けいもんえ)・稽首勲(けいしゅくん)という仏師達により造立されたと伝わっている。ご本尊は33年に一度の御開帳とされ、最後に扉が開かれたのが2018年である。

感想■杉の大木に囲まれ幽玄さを醸し出す本堂の迫力が心に残っています。さらに、本堂の内部に入り真っ先に目に入る金色に光り輝くお前立ちの十一面観音様の美しさに息を呑みました。このお像は近年修復されたとご住職からお聞きし、お像が持つ美しさを損なわずに修復をする文化財修復の技術の巧みさも感じました。

観音水

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一口飲めば美しくなれるという清らかな名水

いにしえより「黒頭の名水」とも称され、その清らかさから1口飲めば長寿や美貌の功徳があると伝えられている。現在もこの水を料理に使うお店もあり、毎朝この水を汲みに訪れる人も多い。

感想■観音水のその清らかさに驚きました。いつも飲み慣れている水道水とは異なり、まろやかなで優しい味がするような感覚をおぼえました。ご住職からこの観音水が今も絶えることなく湧き続けていることに対する感謝の気持ちを常に持つようにしていると伺いました。日々の生活を不自由なくおくっていることに感謝の気持ちを忘れないようにしたいです。

文殊菩薩坐像・弁財天坐像・天神坐像

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優しい微笑みを参拝者に向ける様々な仏さま

本堂の近くには文殊菩薩をまつる文殊堂など複数のお堂が建立されている。文殊堂にまつられる文殊菩薩の来歴は不明であるそうだが、金色に彩色された衣や鮮やかな青色で彩色された頭部、身につける豪華な宝冠からは大切に守られてきたことがうかがえる。また、他のお堂には弁財天坐像や天神坐像がおまつりされている。

感想■穏やかで優しい眼差しを参拝者に向ける文殊菩薩像。木造とは思えないほどなめらかな肌の表現も魅力的でした。文殊菩薩像からは美しく品のある雰囲気を感じ、その雰囲気から美しいお像をまつる高蔵寺の往時の繁栄を垣間見るとともに、高蔵寺周辺には都の仏師と遜色のない腕の良い仏師の方がおられたのかなと想像を巡らせました。

比叡山のモミジ

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お寺とともに歴史を紡ぐモミジ

本堂へと通じる参道沿いには、比叡山より分けられたモミジが植えられている。参道沿いだけでなく境内各所に植えられているそう。境内を巡り、モミジに結ばれている「比叡の紅葉」の札を探してみてはいかがでしょう。

感想■多くの戦乱や天災にまきこまれながらも、そのたびに復興されてきたという高蔵寺。現在、ご住職だけでなくたくさんの方々のご協力により境内の整備が行われています。参道沿いに植えられている比叡山のモミジは背丈は小さいものの、美しく色づいていました。このモミジが立派な大木になるころ、高蔵寺の境内をどのように彩っているのか楽しみです。

阿弥陀堂

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たくさんの人々の援助によって建立された美しいお堂

阿弥陀堂は平成13年(2001)に建立された建物。五間四面の木造寄せ棟造で、阪神淡路大震災と同等の大地震にも耐えることのできる構造を採用しているという。堂内中央には阿弥陀如来坐像をおまつりしている。正面には第255世天台座主渡邊恵進猊下による「光明殿」の扁額が掛けられている。また、阿弥陀堂内には弁財天像もおまつりされている。

感想■檀家の方々や信者の方々、高蔵寺にご縁のあったたくさんお方々のご協力に建立できたとご住職がお話しされる姿が印象に残っています。お寺を守る僧侶の力だけでなく、たくさんの人々と手を取り合う高蔵寺の歴史と文化が受け継がれているからこそ、地域の方々だけでなく遠方からも多くの人々が訪れるのかなと阿弥陀堂の姿から感じました。

山門

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往時の姿が今よみがえる

明和7年(1771)に建立されたと伝えられている丹波篠山市内有数の歴史を持つ門である。門の左右には仁王像が安置されている。「令和の大改修」が行われ、令和4年11月26日に落慶法要を迎え、往時の姿がよみがえった。

感想■新旧の部材を組み合わせて大改修が行われたとお聞きしました。建物の姿のかっこよさに圧倒されるとともに、技術を未来へ繋いでいく職人の皆さんの力量に感服しました。

report

学生レポート

立命館大学生命科学研究科2年

紅葉に彩られた境内は、多くの方々で賑わっていました。地域をあげて高蔵寺を知ってほしいと地元の方々や檀家の方々がお話しされ、高蔵寺がいかに地域の中で重要な存在であるかが伝わってきました。ご住職によると境内の整備はまだまだ続くとのこと。これから高蔵寺がどのように変化していくのかとても楽しみです。

history

ご由緒

大化2年(646)に法道仙人により創建されたという古刹。法道仙人が一乗寺を開いた後、当地を訪れると、近くにある山・黒頭峯(くろづほう)に金銀に彩られた雲の架け橋がかかっている光景を感得した。このことからこの地に宝橋山(ほうきょうざん)という山号のお寺を建て、そのお寺が高蔵寺となったと伝わる。往時は七堂伽藍、21ヶ坊から構成される大寺院であったが、明智光秀による丹波攻めに遭うが、その後、江戸時代から現代に至るまで復興が続き、現在は『丹波篠山もみじ三山』として多くの人々が訪れる。ご本尊は十一面観音菩薩立像。

info

参拝情報

名称
宝橋山高蔵寺
(ほうきょうざんこうぞうじ)
所在地
兵庫県丹波篠山市高倉276
googleMAP
参拝時間
9:00~16:00
拝観料
■通常時
無料

■春の桜のシーズン・秋のもみじのシーズン
大人(おひとり): 500円
高校生以下:無料
宗派
天台宗
御本尊
十一面観音
宝物殿
アクセス
■公共交通機関
 ・JR福知山線「篠山口」駅下車後、バス15分「大山新」下車2km歩く
 ・JR福知山線「柏原」駅下車後、バス15分「大山新」下車2km歩く
 ・JR篠山ロ駅または柏原駅より夕クシ一約15分
■自動車
 ・舞鶴若狭自動車道丹南篠山口I.Cより国道176号線北へ約12分
 (大阪より70分・福知山より40分)
駐車場
あり
Webサイト
http://kouzouji.jp/index.html

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