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中世の丹波の姿が今に残る古刹

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だいこくじ

大国寺

兵庫県丹波篠山市

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兵庫県丹波篠山市に位置する「大国寺」は、飛鳥時代の大化年間に法道仙人が自作の薬師如来を安置したことに始まる寺院です。鎌倉時代の本堂のほかにも、平安時代の仏像など多くの文化財を残しています。丹波篠山もみじ三山の一つともなっており、特に紅葉の時期には大国寺と色づく紅葉を拝観しに多くの参拝者でにぎわいます。

巡りポイント

本堂(国指定重要文化財)

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鎌倉時代に造られた折衷様の本堂

鎌倉時代末期の再建でされた本堂である。内陣・中陣・外陣に分かれており、中陣より中が禅宗様で、外陣が和様という折衷様で造られている。中陣の柱にも木鼻がついているのは、日本では大国寺のみであるとみられている。現在は入母屋造りの茅葺き形銅板葺きの屋根だが、創建当初は檜皮葺きであった。昭和36年(1961)に国の重要文化財の指定を受け、その後解体修理が行われ、再建当初の姿へと原形復元されている。

感想■丹波という地は丹波攻め等の戦乱があった場所であり、周辺の寺院がその影響を受けている中、鎌倉時代の大きな本堂が現在にも伝わり残っていることに驚きました。堂々とした佇まいの本堂を見ていると、心が落ち着き穏やかな気持ちにさせてくれるようでした。

薬師如来坐像・阿弥陀如来坐像・大日如来坐像(国指定重要文化財)

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珍しい一仏三身の本尊

本堂内陣の中央に、三尊の仏像が安置されており、いずれも重要文化財に指定される。

中尊は11世紀の像で文化財の指定名称では大日如来とされるが、中尊を薬師如来として手に薬壷を載せている。全体仏では法身仏である大日如来、手の印は定印を結び報身仏である阿弥陀如来、薬壺から応身仏である薬師如来を表しており一仏三身の如来であるとしている。

脇侍は中尊の一仏三身から胎蔵界大日如来と阿弥陀如来の要素を抜きだして脇侍としていることから、脇侍を大日如来と阿弥陀如来とする三尊形式である。脇侍は12世紀の作である。

薬師如来と大日如来の宝冠には宝相華が描かれ、中尊の後背や台座など当初のものも多く残されている。すべてヒノキの寄木造りの像である。

また、前面には室町時代に造立された十二神将立像がおまつりされ、御本尊をお守りしている。

感想■一つの仏像で、薬師如来であり、大日如来であり、阿弥陀如来であるという特殊なお像でこのようなお像があることに驚きました。大国寺の名のもとである、大国主の本地仏の薬師如来を示すや一仏三身を示すことを聞き、大国寺ならではの信仰であるのだと感じました。一つのお像で三体の如来を拝むことになるのはお得なようにも感じました。

二天像(国指定重要文化財)

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平安時代の二天立像

三尊の横にまつられているのは持国天立像と増長天立像で、平安時代の像である。元来は二天門にまつりされていたが、本堂再建の際に二天門までの再建に至らず、保存を考えて本堂に移された。ヒノキの一木造りで、光背も当初の物が残されている。

感想■一木造りならではの重量感のある像で、顔を顰める表情やどっしりとして体躯からは堂々とし威厳を感じました。光背等もよく残っていることに驚きました。

女神坐像

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天満宮にまつられる女神坐像

本堂の西側にある天満宮には、十世紀まで遡る神像がおまつりされている。この像は天神像としておまつりされているが、像表面が摩耗して様子が伺いにくいものの長い髪を垂らしていることから、もとは女神像であったとみられる。

感想■本堂の西側にある小さな天満宮の中に、ギリギリ入るような比較的大きな神像がまつられいたことに驚きました。このような平安期の神像が残っていることも、大国寺が長い間この地で篤く信仰されてきていることを表しているのだと感じました。

木造阿弥陀如来坐像

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大国寺へ移って来た江戸時代造立の阿弥陀さん

本堂の外陣、向かって右奥に金色に光り輝く大きな阿弥陀如来坐像がおまつりされている。この阿弥陀如来坐像は、江戸時代の万治年間に造立されたと考えられている阿弥陀如来坐像で、かつて大国寺の付近に伽藍を構えていた満願寺にまつられていたと伝わる。満願寺が廃寺になった際に、大国寺へと移されてきた。

感想■薄暗い本堂の中で光り輝く阿弥陀如来坐像の大きな体は、威厳を感じ、非常に迫力のあるものでした。また、阿弥陀如来坐像の背後の光背の彩色は後の時代に施されたそうですが、当時の人々が阿弥陀如来坐像の凄さをアピールするためにも様々な色使ってカラフルな着色を施したのかなと感じました。

report

学生レポート

奈良大学文学部文化財学科4年

大国寺の本堂に入ると、多くの平安時代の仏像が並んでおり、鎌倉時代の本堂と合わせ中世から受け継がれる歴史をそのまま感じることができる空間でとても興奮しました。丹波篠山という地が皇室との繋がりがあり、それらの文化が残されている大国寺ならではの歴史の深さを感じることができました。それらのモノがきれいに残っていて、大切に大国寺を守ってきたことも感じられました。
紅葉で多くの参拝者でにぎわう中で、大国寺に訪問させていただきました。コスプレをしている方や幅広い年代の方が参拝に訪れており皆さんが笑顔で楽しそうにしていました。本堂・仏像といった文化財などの歴史の深さ紅葉のきれいさのほか、大国寺には人々を惹きつけられている魅力があるからであるのだと思いました。さまざまな人の祈りが込められ積み重ねられている大国寺は、多くの人々を受け入れるとても懐の深く身近な場所であるとともに、多くの仏さまをまつることも合わせありがたみを実感することのできる寺院であるのだと思いました。

history

ご由緒

創建は、今から約1400年前の飛鳥時代の大化年間である。インドから来られた法道仙人がこの地に訪れ、自作の薬師如来を安置して始まったと伝えられている。中世はこの地は皇室領であったこともあり、本堂の建物は約700年前の正和年間に時の天皇である花園天皇のご帰依によって再建された。その際に山号を入れた「安泰山大国寺」の称号を賜った。大国寺が伽藍を構える地域は、戦国時代に明智光秀の丹波攻めの被害を被るが、大国寺はその被害を免れたため今日まで多数の文化財が守り伝えられている。

info

参拝情報

名称
安泰山大国寺
(あんたいざんだいこくじ)
所在地
兵庫県丹波篠山市味間奥162
googleMAP
参拝時間
8:00~17:00(16:30まで受付)
※法要等でお断りする場合あり
拝観料
■本堂内拝観料(入山料含む)
 一般:お一人:大人1000円・小中学生250円
 団体:お一人:大人900円・小中学生200円
 ※団体は30名様以上となります。要予約にてお願いたします。
■入山料(入山志納金)
 お一人:500円
宗派
天台宗
御本尊
薬師如来・阿弥陀如来・大日如来
宝物殿
アクセス
【公共交通機関】
JR篠山口駅から車で約5分
【自動車】
舞鶴若狭道丹南篠山ICから約5分
駐車場
有り(無料)
Webサイト
https://sasayama-daikokuji.com/

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