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飛鳥時代から続く名刹

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りゅうおうじ

龍王寺

滋賀県蒲生郡竜王町

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龍王寺は飛鳥時代の「雪野寺」を起源とする寺院で、龍神を祀る鐘の存在から、一条天皇に「龍王寺」と名付けられました。この鐘は現在も残り、小野時兼と美和姫との恋の伝説も伝わっています。戦国時代には伽藍を焼失しますが、江戸時代に再興され、「へちま封じ」などの行事も残されています。

巡りポイント

龍王寺には奈良時代の鐘から鎌倉時代の十二神将像、江戸時代に整備されたお堂など各時代の文化財が残ります。 飛鳥時代以来の祈りの歴史を感じながら、境内を巡ってみましょう。

本堂

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「へちま封じ」の舞台

江戸時代に再建された本堂の外陣には、公遵法親王によって『醫王殿』と記された額が掲げられている。毎年中秋の名月の日に喘息封じの祈願である「へちま封じ」という行事が行われている。 この日には普段は閉ざされているお厨子が開かれ、平安時代後期に造られたという御本尊・薬師如来像を拝することができる。厨子の左右には日光菩薩立像・月光菩薩立像をはじめ、御本尊と同じタイミングで造立されたと伝わる地蔵菩薩立像や観音菩薩立像が安置されている。さらに、平安時代に造立されたと考えられている阿弥陀如来坐像もおまつりされている。

感想■へちまはかつて薬として使われていたそうで、今でもへちまを使った祈願が行われているそうです。お堂は江戸時代のものですが平安時代の大きなお像も数多く伝わり、古来からの篤い信仰の歴史を感じることができました。

十二神将像(国指定重要文化財)

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鎌倉時代から残る薬師如来の守護神

御本尊がおまつりされている厨子を中心に左右に6躯ずつ十二神将立像がおまつりされている。甲冑に身を固めた武将の姿で表されている⼗⼆神将立像の頭上には、それぞれ⼗⼆⽀の動物を頭に載せており、この形式は鎌倉時代以降に造立された十二神将立像の特徴であるという。龍王寺でおまつりされている十二神将立像は鎌倉時代に造立されたと考えられており、12躯すべてが揃っている点が貴重であるとして国の重要文化財に指定されている。

感想■鎌倉時代の十二神将像はとても貴重なものですが、干支が頭に乗っていて自分の干支の守護神はどなたかなと探しながら拝観できるのが面白かったです。彩色も綺麗に残っていて、お寺で大事に守られてきたことが伝わってきました。

梵鐘(国指定重要文化財)

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「雪野寺」の時代を伝える龍神をまつる鐘

鐘楼につるされている梵鐘は奈良時代から平安時代に造立されたと考えられている鐘で、国の重要文化財に指定されている。この鐘には小野時兼と美和姫の悲恋の物語が伝えられている。光仁天皇の御代、小野時兼は病にかかり、この地に赴き龍王寺の御本尊である薬師如来に祈願をしたという。すると、小野時兼の病は癒え、さらに美和姫という美しい女性と出会い仲睦まじく幸せに3年間の月日を共に過ごしたという。しかしながら、ある日突然美和姫は小野時兼に対し別れ話を持ち出し、『私は人間ではなく、雪野山の近くの沢の主である。もし私を思ってくれるのであれば、その沢に来れば本当の姿を見せよう。』と言い、百日百夜、絶対に開けてはならないという約束とともに玉手箱を渡した。小野時兼は最初は懸命にこらえていたが、次第に恋慕がつのり美和姫と出会うために沢へと赴いた。しかし、小野時兼がその沢で見たのは十丈ほどの恐ろしい姿をした大蛇であった。 そのあまりの恐ろしさに小野時兼は逃げてしまい、九十九日目にして玉手箱を開けてしまった。すると箱の内から紫雲とともに梵鐘が出現したという。小野時兼はこの出現した梵鐘を龍王寺に寄進をし、その梵鐘が現在まで伝えられている龍王寺の梵鐘であるという。この伝承のため龍神をまつる鐘『龍鐘』としてよく知られている。鐘の上部にある龍頭を白い布で覆い、これを外すと大雨が降ると言われている。

感想■奈良時代のものと伝わる梵鐘は、龍王寺の前身である「雪野寺」以来のものでとても貴重なものでした。この鐘から「龍王寺」と改称されたという龍王寺の歴史の根幹をなす存在だと感じました。

report

学生レポート

京都大学大学院文学研究科修士2年

龍王寺の境内に残る奈良時代の梵鐘が印象に残りました。この鐘は和歌に詠まれたり、龍王寺、ひいては竜王町の名前の由来となっていたりと、地域の歴史に大きな影響を与えてきたものだと思います。へちま封じのような行事が残されているのも魅力のひとつ。地域の祈りの歴史がこれからも紡がれていくことを願っています。

history

ご由緒

和銅三年(710)に⾏基菩薩によって建⽴されたと伝わる。数多の戦乱や天災に見舞われながらも、足利将軍家や六角氏などの有力者の手により再興がなされてきた。境内には、⾬をもたらす⻯を祀る有名な鐘が伝えられている。奈良時代から平安時代初期に造立され、国の重要文化財に指定されるこの鐘は、柿本人麻呂や和泉式部の和歌の題材にもなり、1007 年に⼀条天皇から「⿓寿鐘殿」の額を賜り、「雪野寺」から「⿓王寺」へと改称されたとされる。

info

参拝情報

名称
雪野山龍王寺
(ゆきのさんりゅうおうじ)
所在地
滋賀県蒲生郡竜王町川守41
googleMAP
参拝時間
9:00~16:30
(できれば事前予約)
参拝料金
個人(1名):400円
団体30名以上(1名):300円
御朱印:300円
宗派
天台宗
御本尊
薬師如来
宝物殿等
なし
アクセス
公共交通機関
■JR琵琶湖線「近江八幡駅」から「ダイハツ竜王行き」近江バスにて「川守」下車、徒歩8分
お車
■名神高速道路「竜王IC」から約10分
駐車場
あり(大型バス可)
境内MAP
Webサイト
https://ryuohji.ryuoh.org/#14

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