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泰澄大師が開山、入寂された霊地・越知山

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おおたんじ

大谷寺

福井県丹生郡越前町

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福井県越前町に伽藍を構える越知山大谷寺は、日本三大霊山の一つである加賀の霊峰・白山を開山した泰澄大師が創建した名刹です。わずか11歳の泰澄大師が当地を訪れ開山した越知山には、泰澄大師が感得された越知山三所大権現を中心に穏やかで力強い祈りが紡がれてきました。神護景雲元年(767)、当地で入寂されたと伝えられている泰澄大師の廟所として、古来より信仰を集めています。

巡りポイント

往時の隆盛から一千の坊があると言われた大谷寺には、泰澄大師の力強い祈りを伝える様々な仏様がおまつりされています。全国を巡り仏教や白山信仰を伝えた泰澄大師の廟所には、現在も全国より泰澄大師を偲ぶ方々が集います。

本堂

  • 本堂
  • 本堂
    本堂正面の唐破風
  • 本堂
    本堂に掲げられている「越知山大権現」の扁額
  • 本堂
    四国八十八カ所のお砂ふみ
  • 本堂
    越知山より出土した遺物
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往時の大谷寺の姿を伝えている大堂

現在の大谷寺本堂は、もともと庫裏として用いられていた建物であると伝えられている。大きな唐破風と「越知山大権現」の額がかかる入口が特徴的な建物で、堂内には泰澄大師が開山された越知山に伝来した様々な仏様がおまつりされている。

 

お参りの方々の礼拝の場所である畳敷きの部分の下には、四国八十八カ所霊場を構成する札所寺院境内の砂が納められており、足元の番号を踏むことで八十八カ所を巡礼することができるという。また、大谷寺や越知山で実施された発掘調査の際に発見された古代の土器片や大谷寺で守り伝えられてきた文化財の一部が展示されている。

 

大谷寺は、持統天皇6年(692)、わずか11歳の泰澄大師により開山されたと伝えられている。大谷寺に伝えられている泰澄大師の伝記『泰澄和尚伝記』によると、泰澄大師の夢に十一面観音様が現れお告げを授けたという。そのお告げに従い越知山を訪れ修行を続けた泰澄大師は、越知山三所大権現を感得し、その本地仏である十一面観音様・聖観音様・阿弥陀如来様をおまつりしたほか、越知山をお護りする不動明王様をおまつりしたという。その後諸国を巡り仏の教えを広めた泰澄大師は、天平宝字2年(758)、越知山に戻り、神護景雲元年(767)に御年86歳でご遷化されたと伝えられている。

 

泰澄大師の御廟所として多くの僧侶たちが修行に励んだ大谷寺には、たくさんの僧房が建立されたと伝えられている。その繁栄ぶりから一千の僧房があると言われていたという。

感想■本堂正面の大きな唐破風の迫力に圧倒されました。後にご住職より伺った泰澄大師と大谷寺の悠久の歴史を伺い、その圧倒的な祈りの歴史の深みをこの迫力ある唐破風が表しているように感じました。

秘仏御本尊・越知山三所大権現(木造十一面観音菩薩坐像・木造聖観音菩薩坐像・木造阿弥陀如来坐像、福井県指定文化財)※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉

  • 秘仏御本尊・越知山三所大権現(木造十一面観音菩薩坐像・木造聖観音菩薩坐像・木造阿弥陀如来坐像、福井県指定文化財)※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    秘仏御本尊・越知山三所大権現(左:木造阿弥陀如来坐像・中央:木造十一面観音菩薩坐像・右:木造聖観音菩薩坐像)
  • 秘仏御本尊・越知山三所大権現(木造十一面観音菩薩坐像・木造聖観音菩薩坐像・木造阿弥陀如来坐像、福井県指定文化財)※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    木造十一面観音菩薩坐像
  • 秘仏御本尊・越知山三所大権現(木造十一面観音菩薩坐像・木造聖観音菩薩坐像・木造阿弥陀如来坐像、福井県指定文化財)※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    木造十一面観音菩薩坐像
  • 秘仏御本尊・越知山三所大権現(木造十一面観音菩薩坐像・木造聖観音菩薩坐像・木造阿弥陀如来坐像、福井県指定文化財)※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    木造聖観音菩薩坐像
  • 秘仏御本尊・越知山三所大権現(木造十一面観音菩薩坐像・木造聖観音菩薩坐像・木造阿弥陀如来坐像、福井県指定文化財)※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    木造聖観音菩薩坐像
  • 秘仏御本尊・越知山三所大権現(木造十一面観音菩薩坐像・木造聖観音菩薩坐像・木造阿弥陀如来坐像、福井県指定文化財)※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    木造阿弥陀如来坐像
  • 秘仏御本尊・越知山三所大権現(木造十一面観音菩薩坐像・木造聖観音菩薩坐像・木造阿弥陀如来坐像、福井県指定文化財)※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    木造阿弥陀如来坐像
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越知山の祈りのを伝える気品あふれる仏様

大谷寺の秘仏御本尊である越知山三所大権現は、十一面観音様・聖観音様・阿弥陀如来様から構成されている。それぞれ、十一面観音様は伊弉冉尊(白山妙理権現)の御本地仏、聖観音様は天忍穂耳尊(大行事権現)の御本地仏、阿弥陀如来様は大己貴命(大汝権現)の御本地仏として、かつては越知山の山頂に秘仏としておまつりされていた。

 

十一面観音様は聖観音様の分身、聖観音様は阿弥陀如来様の脇侍としておまつりされることから、越知山三所大権現を構成する十一面観音様は我身(行者)を、聖観音様は行者の両親、阿弥陀如来様は行者の祖父母までのご先祖様を表しているという。

 

衣や体の穏やかな表現より平安時代後期頃に造立されたと考えられている仏様である。毎年11月3日に執り行われる万灯会の際に御開扉される。

感想■気品にあふれ凛々しいお姿をされている御本尊様のお姿は、越知山で修行に励んだ僧侶たちの志の崇高さを表しているように感じました。また、恵みと厳しさの両面を持つ山の気高さも感じました。

お前立・越知山三所大権現像(銅造十一面観音菩薩坐像・銅造聖観音菩薩坐像・銅造阿弥陀如来坐像、越前町指定文化財)

  • お前立・越知山三所大権現像(銅造十一面観音菩薩坐像・銅造聖観音菩薩坐像・銅造阿弥陀如来坐像、越前町指定文化財)
    お前立・越知山三所大権現(左:銅造阿弥陀如来坐像・中央:銅造十一面観音菩薩坐像・右:銅造聖観音菩薩坐像)
  • お前立・越知山三所大権現像(銅造十一面観音菩薩坐像・銅造聖観音菩薩坐像・銅造阿弥陀如来坐像、越前町指定文化財)
    銅造十一面観音菩薩坐像
  • お前立・越知山三所大権現像(銅造十一面観音菩薩坐像・銅造聖観音菩薩坐像・銅造阿弥陀如来坐像、越前町指定文化財)
    銅造十一面観音菩薩坐像
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    銅造聖観音菩薩坐像
  • お前立・越知山三所大権現像(銅造十一面観音菩薩坐像・銅造聖観音菩薩坐像・銅造阿弥陀如来坐像、越前町指定文化財)
    銅造聖観音菩薩坐像
  • お前立・越知山三所大権現像(銅造十一面観音菩薩坐像・銅造聖観音菩薩坐像・銅造阿弥陀如来坐像、越前町指定文化財)
    銅造阿弥陀如来坐像
  • お前立・越知山三所大権現像(銅造十一面観音菩薩坐像・銅造聖観音菩薩坐像・銅造阿弥陀如来坐像、越前町指定文化財)
    銅造阿弥陀如来坐像
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泰澄大師の祈りを伝える凛々しく美しい仏様

本堂には秘仏御本尊様のお前立としておまつりされてきた銅造の十一面観音様・聖観音様・阿弥陀如来様がおまつりされている。

 

中央の十一面観音様は、頭上に宝冠を乗せ胸元に瓔珞を身に着け、右手で念珠を左手で蓮の花を持つ。向かって右側におまつりされている聖観音様は、左手に持つ蓮のつぼみを開くように右手を添える。向かって左側におまつりされている阿弥陀如来様は定印を結んでいる。

 

鎌倉時代の造立と考えられている仏様で、凛々しい顔つきとお像表面の美しい鋳上がりが特徴的な仏様である。

感想■とても丁寧に造立されたお姿は、金属から造立された仏様とは思えないほど細やかで、特に滑らかな指先の表現に息をのみました。

木造泰澄大師及び臥行者・浄定行者坐像

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全国に仏教や白山信仰を伝えた泰澄大師のお姿を伝える

中央に泰澄大師、左右に泰澄大師と共に修行をされた臥行者(ふせりのぎょうじゃ)と浄定行者(きよさだぎょうじゃ)がおまつりされている。

 

泰澄大師は、臥行者や浄定行者等の弟子とともに険しい白山で修行に励み、養老元年(717)、泰澄大師36歳の時、ついに白山の山頂に到達し、白山におわす神々・仏様を感得されたと伝えられている。

 

臥行者と浄定行者に関わる逸話が残されている。

 

泰澄大師に侍り、身の回りのお世話をしていた臥行者。

臥行者は、日本海で交易する船に乗る船人からお米を分けていただき、泰澄大師の日々の修行の糧としていたという。

 

和銅5年(712)、出羽国からお米を運んできた船が当地を訪れた。その船の一切を取り仕切っていたのは船頭である神部浄定。臥行者は、いつものように、神部浄定にお米を少し分けていただけないかと頼んだが、断られてしまった。すると、船に積んでいたお米がひとりでに遠く離れた地へ飛んでいってしまったと伝えられている。

 

空を飛んだお米がたどり着いた先は、なんと海から遠く離れたお山。

神部浄定は、お山で修行に励む泰澄大師に非礼を詫び、お米を返してもらった後に泰澄大師の弟子となったという。

 

そして、この神部浄定こそ、臥行者とともに泰澄大師を支えた浄定行者であると伝えられている。

感想■泰澄大師のお顔からは穏やかな印象を抱くとともに、真っすぐ前を見据えるその眼差しからは力強さを感じました。現在のような登山装備が無い中で、標高2,702メートルの険しい白山を登頂し、仏様を感得された泰澄大師のお姿に深く感銘を受けました。

石造九重塔(国指定重要文化財)・開山堂

  • 石造九重塔(国指定重要文化財)・開山堂
    石造九重塔
  • 石造九重塔(国指定重要文化財)・開山堂
    石造九重塔
  • 石造九重塔(国指定重要文化財)・開山堂
    石造九重塔
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    石造九重塔
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    石造九重塔
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    石造九重塔に刻まれている銘文
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    石造九重塔に刻まれている銘文(拓本)
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    開山堂
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    開山堂
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泰澄大師の御遺徳をしのばせる清麗な石塔(国指定重要文化財)

本堂から少し山を登ると泰澄大師の廟所と伝えられている石造九重塔へたどり着く。

 

泰澄大師は、天平宝字2年(758)に越知山に戻り、神護景雲元年(767)に御年86歳で当地で入寂されたと伝えられている。

 

石造九重塔は、泰澄大師が入寂された地に建つ総高437.5センチメートルの鎌倉時代の石塔で、越前国の名産である笏谷石が用いられている。基壇に刻まれた銘により元享3年(1323)に造られ、願主が金資・行現であること、大工が平末光であることが分かる。

 

塔身の正面・右面・左面には、それぞれ阿弥陀如来・聖観音・勢至菩薩を表す梵字が彫られている。

 

石造九重塔の近くには、泰澄大師をおまつりする開山堂が建つ。

感想■九重塔に施された彫刻の美しさに息をのみました。泰澄大師の廟所に建立されてから数百年の時が流れても欠けることなく刻まれる彫刻は、厳しい自然の中で修行を続けた泰澄大師の清麗な志を伝えているように感じました。

木造不動明王立像(福井県指定文化財)※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉

  • 木造不動明王立像(福井県指定文化財)※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
  • 木造不動明王立像(福井県指定文化財)※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
  • 木造不動明王立像(福井県指定文化財)※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
  • 木造不動明王立像(福井県指定文化財)※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    かつての台座
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泰澄大師を手助けした粟不動さま

越知山の室堂の御本尊様としておまつりされていた不動明王様である。ほぼ全てを一材から彫出し、内刳りもない。お像の表面に丸のみの跡を残す「鉈彫」という手法で造立された全国的にも珍しい不動明王様である。

 

この不動明王様は、泰澄大師との「粟」に関わる伝承をもつ不動明王様で、「粟不動」と呼ばれる。泰澄大師が外出していた際に突如雨が降り出した。泰澄は室堂の外に乾かしていた粟を心配して帰ると、外にあったはずの粟が全て室堂の中に入れられていた。不思議に思った泰澄大師が不動明王様の姿をみると全身に粟が付いており、泰澄大師の代わりに不動明王様が粟を室内に入れたことが分かったという。

 

かつての台座には墨書が残り、寛文5年にこの台座が寄進されたことが記されている。

感想■灯りに照らされた不動明王様をお参りすると、表面ののみ跡により陰翳が生まれ、不動明王様の迫力をより一層強く感じました。修行に励む泰澄大師をこっそりと手助けした「粟」に関わる逸話も素敵でした。

木造不動明王立像(福井県指定文化財)及び二童子立像 ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉

  • 木造不動明王立像(福井県指定文化財)及び二童子立像 ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    左:木造制多迦童子立像・中央:木造不動明王立像・右:木造矜羯羅童子立像
  • 木造不動明王立像(福井県指定文化財)及び二童子立像 ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    木造不動明王立像
  • 木造不動明王立像(福井県指定文化財)及び二童子立像 ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    木造不動明王立像
  • 木造不動明王立像(福井県指定文化財)及び二童子立像 ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    木造不動明王立像
  • 木造不動明王立像(福井県指定文化財)及び二童子立像 ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    木造制多迦童子立像
  • 木造不動明王立像(福井県指定文化財)及び二童子立像 ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    木造矜羯羅童子立像
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穏やかな不動明王様と凛々しい童子たち

像高1メートルほどの不動明王様の両脇に矜羯羅童子(こんがらどうじ)と制多迦童子(せいたかどうじ)の二童子を配置する。

 

中央の不動明王様は、右目を大きく開き左目を細め、右の牙を上に、左の牙を下に向けて出す(牙上下出)。丸みのある表現や穏やかな衣の表現から平安時代後期頃に造立されたと考えられている。

感想■丸く穏やかなお姿から、どこか訝しんでいるような表情に見え、親しみを覚える不動明王様であると感じました。両脇の二童子はすらりとした凛々しい立ち姿でした。

木造聖観音菩薩立像(福井県指定文化財) ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉

  • 木造聖観音菩薩立像(福井県指定文化財) ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
  • 木造聖観音菩薩立像(福井県指定文化財) ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
  • 木造聖観音菩薩立像(福井県指定文化財) ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
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平安時代の大谷寺を伝える美しい観音様

木造聖観音菩薩立像は、平安時代に造立されたと考えられている仏様。

 

右手の第一指(親指)・第二指(人差し指)を捻じ、左手を腰前で握るお姿をされている。おそらく左手で蓮華を持ち、右手を蓮華に添えるようなお姿をされていたと推測されている。

 

聖観音菩薩様を収める木箱の蓋裏に、本像が別山大権現の秘仏で元禄11年に開扉された墨書が記されているという。

感想■丸く穏やかで柔らかなお姿が印象的でした。金色に輝くお姿が美しかったです。

銅造聖観音菩薩坐像・銅造阿弥陀如来坐像(福井県指定文化財) ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉

  • 銅造聖観音菩薩坐像・銅造阿弥陀如来坐像(福井県指定文化財) ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    銅造聖観音菩薩坐像
  • 銅造聖観音菩薩坐像・銅造阿弥陀如来坐像(福井県指定文化財) ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    銅造聖観音菩薩坐像
  • 銅造聖観音菩薩坐像・銅造阿弥陀如来坐像(福井県指定文化財) ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    銅造阿弥陀如来坐像
  • 銅造聖観音菩薩坐像・銅造阿弥陀如来坐像(福井県指定文化財) ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    銅造阿弥陀如来坐像
  • 銅造聖観音菩薩坐像・銅造阿弥陀如来坐像(福井県指定文化財) ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
    銅造阿弥陀如来坐像
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三所権現様に対する篤い信仰を伝える

銅造の聖観音菩薩様と阿弥陀如来様のお像である。聖観音様は天忍穂耳尊(大行事権現)の御本地仏、阿弥陀如来様は大己貴命(大汝権現)の御本地仏であることから、秘仏御本尊様やお前立の仏様のように、当初は十一面観音様を加えて三尊でおまつりされていたと推測されている。

 

聖観音様は髻を含む頭体幹部を一鋳とし、両脚部材を別鋳としている。現在両腕部分は木造で補われている。

 

阿弥陀如来様は頭体の大部分を一鋳とし、右肩半ばから右二の腕までを別鋳としている。

 

起伏が抑えられている衣の表現や目鼻立ちが明快で肉つきが豊かなお顔の表現から鎌倉時代に造立されたと考えられている仏様である。

感想■秘仏御本尊様やお前立の仏様に加えて三所権現様を表すとされる仏様がおまつりされていることから、三所権現様に対する篤い信仰と一千の僧房が並ぶと言われた大谷寺の当時の隆盛を感じることができました。目じりの上がった表情からは力強さを感じました。

銅造不動明王坐像・銅造阿弥陀如来坐像(越前町指定文化財)

  • 銅造不動明王坐像・銅造阿弥陀如来坐像(越前町指定文化財)
    銅造不動明王坐像
  • 銅造不動明王坐像・銅造阿弥陀如来坐像(越前町指定文化財)
    銅造阿弥陀如来坐像
  • 銅造不動明王坐像・銅造阿弥陀如来坐像(越前町指定文化財)
    銅造阿弥陀如来坐像
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越知山の祈りの力強さを伝える仏様

本堂に安置される銅造の不動明王様と阿弥陀如来様である。両者とも鎌倉時代に造立された仏様であると考えられている。

 

不動明王様は腹前で右手を握り、胸前で左手で羂索を持つ。泰澄大師が越知山を護るためにおまつりしたという不動明王様に対する信仰と関係があると推測されている。

 

阿弥陀如来様は腹前で定印を結ぶ。越知山三所大権現のうち大己貴命(大汝権現)の御本地仏である阿弥陀如来様を表したお像であると推測されている。

感想■金属から造立されているとは思えないほど、精緻で迫力あるお姿でした。特に不動明王様は、山の厳しさを表しているような威風堂々たるお姿をされていて、心が震えました。

木造蔵王権現立像(越前町指定文化財) ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉

  • 木造蔵王権現立像(越前町指定文化財) ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉
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山岳修行の迫力を伝える

蔵王権現様は、一木造で造立されたお像である。平安時代十一世紀頃の造立であると考えられている。

 

表面一部にのみ跡を残す。左足はほぼ直立。

感想■厳しい自然の中で育つ霊木から今まさに出現されたような迫力を感じるお像でした。左手を腰の近くに構え、片足を上げる勇ましいお姿に心動かされました。

笏谷石の狛犬・獅子像 ※毎年11月3日の万灯会の際に御開扉

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愛くるしい姿が魅力的な狛犬・獅子たち

笏谷石は福井県足羽山の北西側山麓部で採掘される良質な火礫凝灰岩で、古墳時代から広く用いられている石材である。福井周辺ではこの笏谷石を用いた狛犬・獅子が多く伝えられ、大谷寺に現存する像もその一群であるといえる。小型でデフォルメされた姿はユーモラスにあふれ、かわいらしい。

感想■狛犬・獅子の愛くるしさが魅力的でした。様々な大きさ、様々なお姿をとることから、様々な時代、様々な人々による造立であることが感じられ、大谷寺に対する篤い信仰を実感することができました。

十王堂諸仏群(越前町指定文化財)

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ご先祖様への想いを受け止める仏様たち

閻魔王像をはじめとする様々なお像が本堂にておまつりされている。これらのお像は、もともと大谷寺の背後にそびえ立つ元越知山山頂に建てられていた十王堂におまつりされていた。

 

道服をまとう十王(秦広王・初江王・宋帝王・五官王・閻魔王・変成王・太山王・平等王・都市王・五道転輪王)に加え、十王それぞれの本地仏である釈迦如来様や地蔵菩薩様、観音菩薩様、十王様の側近である冥司、亡者のお像が造立されている。

 

亡者の罪業が軽減されるように、それぞれの十王様の御本地仏へ祈りを捧げる信仰を今日に伝えるお像である。記録によると、江戸時代の元禄3年(1690)に造立されたお像であるという。

感想■亡者の罪業を裁く十王様をはじめお像が並ぶ光景は圧巻でした。亡くなった方のことを想う人々の強い祈りを感じました。

report

学生レポート

立命館大学 博士課程

今回の訪問では、白山を開山され、大谷寺とも強い関りのある泰澄大師についてのお話しが印象深く心に残っています。
訪問以前から、泰澄大師に非常に興味があり、泰澄大師と非常に深い関りのある大谷寺へのお参りを楽しみにしていました。今回ご住職にお話しいただいた、泰澄大師が大津皇子の息子である粟津皇子であること、粟津皇子の名が現在の粟津温泉の由来となっていること、追手から逃れるために福井県だけでなく、石川県や岐阜県、富山県など広範囲に泰澄大師にゆかりのある場所が伝えられていることなど、非常に興味深く拝聴いたしました。

1300年以上に生きた泰澄大師のことが時を越えて現在に伝えられているということは、いつの時代もご住職や大谷寺の皆様のように泰澄大師の志を大切にされている方々が、泰澄大師のこと、そして泰澄大師の志を未来へ伝えるために尽力された結果であると思います。今回、ご住職や大谷寺の皆様のお話しを伺い、泰澄大師を大切にされる皆様の姿にたいへん感銘を受けました。

history

ご由緒

持統天皇6年(692)、越の大徳泰澄大師が越知山三所大権現の本地仏(阿弥陀如来・十一面観音・聖観音)と不動明王をおまつりしたことに始まると伝えられている。泰澄大師は、11歳の時に当地で修行に励み、西の越知山や文殊山、蔵王山、白山等で修行された後、天平宝字2年(758)、77歳の折に再び当地を訪れ、神護景雲元年(767)に当地で入寂されたという。

 

境内には、泰澄大師の御廟所と伝える九重塔(国指定重要文化財)や越知山三所大権現の本地仏など様々な文化財や仏様が伝えられ、往時には一千坊が軒を連ねたという大谷寺の歴史を伝えている。

info

参拝情報

名称
越知山 大谷寺 大長院
(おちさん おおたんじ だいちょういん)
所在地
福井県丹生郡越前町大谷寺42-4-1
googleMAP
参拝時間
事前にご連絡をお願い致します。
拝観料
無料
宗派
天台宗
御本尊
越知山三所大権現(十一面観音・聖観音・阿弥陀如来)
宝物殿
アクセス
■公共交通機関
・越前町バス「大谷寺バス停」下車 徒歩約1分
・京福バス「泰澄の杜」停留所 下車 徒歩約20分
・福井鉄道福武線「神明駅」下車 タクシーで約22〜24分
駐車場
駐車場あり
Webサイト
http://echizen-ohtanji.com/

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