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京都の玄関口、山科を代表する寺院

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びしゃもんどうもんぜき

毘沙門堂門跡

京都府京都市山科区

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天台五箇室門跡の一つである毘沙門堂門跡は、京都の玄関口である山科を代表する寺院です。平安京を作り上げた桓武天皇を守護したという毘沙門天を祀る寺院として、かつては京都出雲路にありましたが、江戸時代にこの地に移されると徳川家康公も共に祀られ、多くの大名も参拝しました。日光東照宮を思わせる本殿や宮廷から移築したとされる堂舎群はもちろんのこと、春の桜や秋の紅葉も楽しむことができます。

巡りポイント

江戸時代に現在の景観が整った毘沙門堂門跡には、徳川家や皇室ともゆかりのあるお堂が多く残っています。境内を巡りながら、江戸時代の高貴な人々の文化に触れてみましょう。

本殿(京都市指定有形文化財)

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御本尊毘沙門天と、徳川家康を祀る

江戸時代に再建された本殿は、日光東照宮と似た建築様式で、東照大権現(徳川家康)も共に祀られている。御本尊の毘沙門天像は伝教大師最澄が延暦寺に安置するための釈迦・薬師・阿弥陀の三尊を作った余材で作り、桓武天皇に献上されたものと伝わる。

感想■通常、お寺の中心の建物は本堂と呼ばれると思いますが、毘沙門殿では神社建築である日光東照宮とよく似ることから、本殿と呼ぶところが特徴的でした。赤と黒で塗られた建物からは征夷大将軍徳川家康を祀るのに相応しい力強さを感じました。

勅使門、宸殿、霊殿(京都市指定有形文化財)

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江戸時代に御所から移された建築群

勅使門、宸殿、霊殿は毘沙門堂に入寺した最初の皇族である公弁法親王の父、後西天皇から拝領した建造物と伝わる。江戸時代の宮殿建築を今に伝える貴重な遺構である。

感想■迫力のある本殿とは対照的に、宮廷文化の上品さのある建物でした。歴代天皇の位牌も祀られていて、門跡寺院としての毘沙門堂という性格を肌で感じとることができます。

宸殿の襖絵(京都市指定有形文化財)

  • 宸殿の襖絵(京都市指定有形文化財)
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まるで動いているように見えるエンタメ性の高い襖絵

宸殿の障壁画は狩野益信の作で、逆遠近法を駆使してどこから見ても自分が中心にいるように感じられるようになってる。京都市指定文化財となっている。

感想■動く襖絵というのはこの寺院で初めて見ました。 高貴な方がたくさんおとずれる寺院として、訪れた人々を楽しませようというエンターテイメント性を感じました。

霊殿天井の龍図

  • 霊殿天井の龍図
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天皇家の位牌を悪から守る八方睨みの龍

霊殿の天井に描かれる龍の絵は狩野永叔主信の作で、どこから見ても龍に睨まれているように見えることから、「八方睨みの龍」とも呼ばれている。

感想■八方睨みの龍からは霊殿に祀られている歴代天皇を徹底的に守護するという意味合いがあるそうです。どのようにして天井に描いたのか、謎も多い絵ということもお聞きして、不思議な魅力の詰まった絵だなと思いました。

report

学生レポート

京都大学大学院文学研究科修士2年

客殿や宸殿の障壁画や天井画は遊び心に溢れていて、楽しみながら参拝することができました。
最澄さんが桓武天皇のために作った毘沙門天を祀り、1300年の歴史を持つ毘沙門堂門跡には、皇室ゆかりの建物があったり、徳川家康を祀っていたりと、天台宗が歩んできた歴史をこの一箇所で学べたように思います。(2023年6月29日)

history

ご由緒

大宝三年(703)、文武天皇の勅願により開山。当初は出雲路(現在の上京区)にあったために出雲寺と号す。御本尊の毘沙門天は、伝教大師最澄の作で、延暦寺根本中堂の薬師如来像の余材で造られたと伝わる。また桓武平氏ゆかりの平等寺、尊重寺、護法寺の三寺を鎌倉時代初期に平親範が統合して一寺となしたとも伝わる。中世後半には戦乱で廃絶したが、寛文五年(1665)に公海が現在地に復興し、門跡寺院となった。

info

参拝情報

名称
護法山 毘沙門堂門跡
(ごほうざん びしゃもんどうもんぜき)
所在地
京都府京都市山科区安朱稲荷山町18
googleMAP
参拝時間
9:00~17:30(最終受付16:30)
冬季(12月〜2月)は9:00~16:30(最終受付16:00)
参拝料金
一般:500円
高校生:400円
小中学生:300円
宗派
天台宗
宝物殿等
無し
アクセス
JR、京都市営地下鉄、京阪電車「山科駅」から徒歩約20分
駐車場
境内MAP
Webサイト
http://bishamon.or.jp/
SNS
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