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堂々たる茅葺屋根の八角円堂が建つ

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ぶっしょうじ

佛性寺

茨城県水戸市

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佛性寺の伽藍に足を踏み入れると、中世に建立された雄大で独特な建物が参拝者を迎えます。全国的にも珍しい八角形の構造をとる佛性寺の本堂は、2011年の東日本大震災の際に大きな被害を受けましたが、解体修理が施され建立当初の姿がよみがえりました。御本尊・大日如来坐像とともに当地の歴史を伝えています。

巡りポイント

茅葺の八角円堂である本堂の堂々たる姿は必見です。国の重要文化財に指定されている本堂の内部には、室町時代中期頃に造立されたご本尊・銅造大日如来坐像や三十日仏坐像がおまつりされ、中世の水戸で活躍した武士たちの祈りを伝えています。

本堂(国指定重要文化財)

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    修復工事以前の本堂
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全国的に珍しい雄大な八角円堂

佛性寺の本堂は、茅葺で禅宗様という建築技法により建てられている八角円堂。近年の解体修理により、天正13年(1585)に立原伊豆守政幹を中心に建立された建物であることが建物に残る墨書から判明した。

  

立原氏は、この建物が建てられた時代に水戸城に入っていた江戸氏の家臣であった一族であるそう。 以前は茅葺ではなく瓦葺の建物で、内部も後世に大きく改変されていたという。

  

平成23年(2011)の東日本大震災により、建物自体が大きくねじれてしまったことから解体修理が施され、建立時の姿に復元された。例えば、工事前の建物では、門の方角(東向き)に扉が設置されていたが、当初は南向きであったことが判明し、入口の位置が変更されている。

感想■まるで大きな鳥が両翼を広げたかのような迫力ある姿に圧倒されました。ご住職にお話しを伺うと、解体修理によって謎に包まれていた本堂の歴史が明らかになってきたのだとか。なぜこのような独特な建物を建てたのか、先人たちの願いや祈りに興味を抱きました。

【非公開】御本尊・銅造大日如来坐像(茨城県指定文化財)

  • 【非公開】御本尊・銅造大日如来坐像(茨城県指定文化財)
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中世水戸の武士の祈りを伝える金属製の大日如来様

本堂中央には、室町時代中期である文安5年(1448)に造立されたと考えられているご本尊・銅造大日如来坐像がまつられている。頭に宝冠を乗せ、腹の前で法界定印を結ぶ胎蔵界の大日如来坐像である。

感想■金属で造立されているからこそのお像の艶やかさや破損の少ない美しい姿に圧倒されました。特に真横からお姿を拝ませていただくと、お顔のわずかなふくらみや凹凸が繊細かつ緻密に表現されていることが分かり、木材と比べて扱いが難しいであろう金属でこれほどの表現ができることに驚かされました。

【非公開】銅造三十日仏坐像(茨城県指定文化財)

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1日ごとに仏様とご縁を結ぶ

御本尊・銅造大日如来坐像の左右に三十日仏坐像がまつられている。中世に流行した三十日仏信仰(1か月を30日とし、その1日1日に仏さまを割り当てそれぞれの日に割り当てられた仏さまをお参りするとその仏さまと特に縁を結ぶことができるという信仰)を示す仏像である。

  

通常、三十日仏は絵画で表される事が多いが、佛性寺のように立体的に示す作例は少ないという。御本尊と同様に、室町時代中期の文安5年(1448)に造立されたと考えられている。

感想■普段お寺にお参りする際に、8日はお薬師様の縁日であるとか、28日はお不動様の縁日であるなどと何気なく認識していましたが、この考え方の起源が中世の人々の祈りにあることを実感し、どこか遠い存在であった先人たちのことを身近に感じることができました。

石造仁王像・石造六地蔵菩薩像(水戸市指定文化財)

  • 石造仁王像・石造六地蔵菩薩像(水戸市指定文化財)
    石造仁王像
  • 石造仁王像・石造六地蔵菩薩像(水戸市指定文化財)
    阿形像
  • 石造仁王像・石造六地蔵菩薩像(水戸市指定文化財)
    阿形像
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    阿形像
  • 石造仁王像・石造六地蔵菩薩像(水戸市指定文化財)
    吽形像
  • 石造仁王像・石造六地蔵菩薩像(水戸市指定文化財)
    吽形像
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    吽形像
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ユーモラスな仁王様が参拝者を出迎える

佛性寺の入口には、元禄7年(1694)に造立された仁王像がまつられている。右側には口を開ける阿形像、左側には口を閉じる吽形像が立つ。

  

仁王像の間を通り抜け参道を進むと、石造六地蔵菩薩像がまつられている。六地蔵菩薩像は天明9年(1789)に造立されたお像である。仁王像と六地蔵菩薩像はどちらも水戸市の文化財に指定されている。

感想■入口の門の前に立ち、佛性寺を守っている仁王像の立ち姿に魅了されました。大きなお顔にがっしりとした体が特徴的で、「どうぞこちらへ」と呼んでいるような腕の動きが魅力的でした。仁王様と言えば厳しい眼差しのイメージですが、どこか人間らしく憎めない雰囲気が漂っていました。

【非公開】回向堂

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檀家の皆さんの祈りに満たされる

本堂の近くには、檀家の皆さんが集う回向堂が建立されている。堂内中央には、阿弥陀如来をおまつりしている。

感想■中央におまつりされている阿弥陀如来様の美しいお姿に魅了されました。金色に輝くお姿、穏やかで優しい眼差しからは、ご先祖様を想う檀家の皆さんの心をもれなく受け止める包容力を感じました。

report

学生レポート

立命館大学大学院1回生

今回の訪問では、安土桃山時代に建てられたという八角円堂の力強く美しい姿に圧倒されるだけでなく、東日本大震災の被害を受けながらもそれを契機に建立当時の姿に復元されたというお話が印象深く心に残っています。
 境内に入り初めて佛性寺の八角円堂の姿を見たとき、あまりに美しい本堂の姿に見惚れました。また、内部に入ると八角形の建物を組み立てるために複雑に部材を組み合わせ建物が建てられていることがよくわかり、この建物を建立した大工さんの技術力の高さに息を呑みました。
 また、ご住職から東日本大震災以前の建物の写真と発生当時の様子をお話しいただき、建物がねじれるほどの強い揺れがあったことに言葉を失いました。しかしながら、その後の修復工事のおかげで私たちがこの建物を見ることができると教えていただき、修復に携わる方々の凄さを改めて感じました。

history

ご由緒

天長年間(824年〜834年)に当地を訪れた慈覚大師円仁によって開創されたと伝えられている。淳和天皇の勅願寺となり、鎮護国家の道場として大いに隆盛したと伝えられている。中世の歴史は明らかではないが、室町時代中期頃に造立されたご本尊・銅造大日如大坐像や銅造三十日仏坐像、天正13年(1585)頃に建立された本堂が当時の様子を伝えている。江戸時代には群馬県の世良田にある長楽寺の末寺となり、水戸藩内の代表的な天台宗寺院の総称である『天台宗水戸十か寺』の一つとして数えられていた。

info

参拝情報

名称
涌石山大日院佛性寺
(ゆうせきざんだいにちいんぶっしょうじ)
所在地
茨城県水戸市栗崎町1985
googleMAP
宗派
天台宗
御本尊
大日如来
宝物殿
なし
アクセス
■公共交通機関
JR水戸駅下車後、茨城交通バスに乗車。『稲荷第二公民館前』バス停下車後、徒歩約10分。

■車
水戸大洗ICから国道51号(水戸駅方面)約10分。
駐車場
あり

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