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「国宝的人材を育てる」日本仏教の母山

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ひえいざんえんりゃくじ

比叡山延暦寺

滋賀県大津市

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1200年以上の伝統を持ち、「日本仏教の母山」と称される比叡山延暦寺では、伝教大師最澄の教えが今なお息づいています。比叡山では今日も千日回峰行や十二年籠山行をはじめとする様々な修行が行われ、伝教大師の時代から続く伝統が重んじられています。修行の地としての山の厳かな雰囲気と、最澄の残した教えの暖かさを感じることのできる場所です。

巡りポイント

1200年の歴史を示すように、世界文化遺産「比叡山延暦寺」は東塔・西塔・横川の三つのエリアに分かれた広大な境内に約100の建物が軒を連ねます。桜・新緑・紅葉、そして雪など四季折々の季節の移ろいが彩りを添える、山上のみほとけの世界へ歩みを進めてみませんか。

【東塔エリア】総本堂根本中堂(国宝)

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伝教大師の願いが詰まった延暦寺の中心的なお堂

延暦寺の総本堂である根本中堂は、もとは「一乗止観院」と呼ばれ、延暦七年(788)に伝教大師最澄が延暦寺の中でも最初に建立。堂内には最澄が灯して以来1200年に渡って比叡山を照らし続けている「不滅の法灯」があり、御本尊の薬師如来像は最澄自作のものと伝わる。創建当初は三堂(薬師堂・文殊堂・経蔵)が並んでいたが、円珍(智証大師)の時代に大きな伽藍に三堂をまとめられ、平安時代中頃の良源(慈恵大師)によって現在とほぼ同じ規模の形となった。現在の建物は江戸時代の寛永十九年(1642)に徳川家光により再興したもので、国宝に指定されている。1200年紡がれてきた比叡山の歴史の長さを一番感じられるお堂である。

感想■ー仏様がお祀りされている空間は一段低く土間になっていて、薄暗い中を不滅の法灯の優しいあかりが照らす厳かな空間が広がっていました。 1200年の比叡山の歴史が詰まったお堂には、比叡山に来たら必ず来てもらいたいです。

【東塔エリア】阿弥陀堂・法華総持院東塔

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伝教大師が願った護国の空間

法華総持院東塔は、伝教大師最澄が全国六箇所に創建することを発願した六所宝塔の中心的役割で、最澄の遺志を継いだ慈覚大師円仁の時代に創建。室町時代の戦火で焼失し長らく復興されなかったが、最澄の出家1200年を機に再建が始まり昭和55年に再興された。 東塔に隣接する阿弥陀堂は比叡山開創1150年記念として檀信徒の回向道場として昭和12年に建立された。

感想■仏教の力で日本を守護するために最澄さまが発願した六所宝塔の中心がこの東塔です。 現在のものは昭和の時代に再建されたものですが、最澄さまの願いが現代の人々にまで受け継がれていることを感じられる建築です。

【東塔エリア】戒壇院(国指定重要文化財)

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最澄の教えを繋ぐ「授戒」のお堂

827年創建の戒壇院とは、伝教大師最澄がそれまで日本仏教界で主流であった具足戒に代わる新しい戒律(円頓菩薩戒)を取り入れようとし、戒壇の設置の許可を朝廷に求め、最澄の弟子、義真によって創建された。1571年に信長の焼き討ちで焼失したが、1678年に現在のお堂が再建。今も正式に天台宗の僧侶となるための儀式の場とされ、延暦寺でも重要な建物である。

感想■最澄さまはその晩年に、人々を仏の道へと導くための新しい戒律の導入に尽力されたそうです。 最澄様の教えや願いは、この戒壇院で行われる授戒の儀式を通して次の世代へと受け継がれてきたのだと思います。 1200年伝えられてきた最澄さまの教えの重みを感じられるお堂です。

【西塔エリア】釈迦堂(転法輪堂、国指定重要文化財)

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伝教大師ご自作のお釈迦さまを祀る

釈迦堂(転法輪堂)は西塔エリアの本堂にあたる。最澄の構想のもとに第二代天台座主の円澄によって創建。現在の延暦寺の中で最も古い建造物。大津の三井寺の彌勒堂(金堂 貞和三年(1347))として建立されたものを、織田信長による比叡山焼き討ち後、文禄4年(1595年)に豊臣秀吉が移築した。

感想■西塔エリアの中心にある釈迦堂は、とても大きなお堂で、延暦寺最古の建築として堂々とした佇まいが感じられます。 根本中堂と同じく仏様がお祀りされている内陣は一段低い土間敷となっており、天台宗のお堂の特徴も感じられるお堂です。

【西塔エリア】にない堂(国指定重要文化財)

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耳をすませばお経の声も

にない堂は法華堂・常行堂の二つのお堂の総称で、二つの建物をつなぐ渡り廊下を弁慶が天秤棒にして担いだという伝説もある。法華堂は法華三昧、常行堂は90日間不眠不休でお経を唱えながら歩き続けるという常行三昧という修行の場であり現在も使用されている。現在のにない堂は、ともに桃山時代の文禄4年(1595)の建築で、釈迦堂の移築に合わせて再建された。
感想■苔むした森の中に朱塗りの常行堂と法華堂が並ぶ様子は、比叡山を代表する景色の一つだと思います。 今でも現役の修行道場として使われていて、仏堂修行の地としての比叡山延暦寺の性格を強く感じられるお堂です。

【横川エリア】横川中堂

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観音さまの優しさに包まれて

横川中堂は嘉祥元年(848年)に慈覚大師円仁によって根本観音堂として創建。円仁がご本尊の聖観音像と毘沙門天像を安置した。その後慈恵大師良源によって改修された際に不動明王像が安置され、中尊として聖観音、両脇侍に毘沙門天・不動明王を祀る横川形式が整った。平安末期より何度か火事があり、信長の焼き討ちで焼失した後、豊臣秀吉の妻、淀君によって再建されたが、昭和17年の落雷で焼失、ご本尊のみ災火を免れた。本尊の聖観音像は平安時代後期の12世紀頃のもので重要文化財に指定されている。現在の建物は昭和49年に復元された。

感想■御本尊は平安時代の作で、織田信長による焼き討ちなど度重なるお堂の焼失にもかかわらず今日まで大切に守られてきたものです。 観音さまのお優しい表情には、心が洗われるような気持ちになります。

【横川エリア】元三大師堂(国指定重要文化財)

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人々の悩みによりそう元三大師

元三大師堂は慈恵大師良源が住んだ定心坊を起源とするお堂。延暦寺中興の祖とされる慈恵大師良源は正月三日に亡くなったことから元三大師とも呼ばれている。良源が春夏秋冬の四季に『法華経』の講義を行ったことから四季講堂とも称される。良源は御神籤の創始者ともされるほか、厄除けのご利益がある「角大師」としても信仰を集めている。現在のお堂は江戸時代前期の承応元年(1652)に再建されたもので、重要文化財に指定されている。

感想■元三大師良源は延暦寺を発展させただけでなく、厄除けや疫病避けのご利益で人々の信仰を集めているとお聞きしました。 元三大師堂には僧侶が悩みを聞き取った上でくじを引くという、日本最古のおみくじもあり、人々の悩みや願いに寄り添ってきた歴史が感じられました。

report

学生レポート

京都大学大学院文学研究科修士1年

天台宗の総本山比叡山延暦寺は、最澄が天台宗を開宗される前から神聖なお山とされてきたといいます。延暦寺というお寺はなく、山全体が延暦寺といわれるだけあって一歩足を踏み入れるとその神聖さに圧倒されます。この活動では、数えきれないほど延暦寺にお参りしましたが、自分の心の違いで、その風景も変わって見えたり感じたりできるのも不思議な印象でした。お参りに行かれる方は、各お堂も素晴らしいですが、山を歩いて、1200年以上の間先人がすってきた空気に触れてほしいです。

history

ご由緒

延暦七年(788)、伝教大師最澄が一乗止観院(のちの根本中堂)を創建。弘仁十三年(822)延暦寺に大乗菩薩戒を授ける戒壇が設置される。 平安時代を通して、慈覚大師円仁、智証大師円珍、慈恵大師良源、恵心僧都といった数々の名僧を輩出。 中世には多くの荘園を抱える権門として絶大な影響力を持つ。 元亀二年(1571)、織田信長の焼き討ちに遭うも、江戸幕府が開かれると、徳川家康の側近であった慈眼大師天海の尽力により復興される。

info

参拝情報

名称
比叡山延暦寺
(ひえいざんえんりゃくじ)
所在地
滋賀県大津市坂本本町4220
googleMAP
参拝時間
【東塔】
通年 9:00~16:00
【西塔】【横川】
1月〜2月 9:30~16:00
3月〜11月 9:00~16:00
12月 9:30~16:00
参拝料金
【東塔・西塔・横川共通券】
大人:1,000円
中高生:600円
小学生:300円
【国宝殿(宝物館)拝観料】
大人:500円
中高生:300円
小学生:100円
宗派
天台宗
宝物殿等
国宝殿
アクセス
〇京都直通バス⇒比叡山ドライブバス(京阪バス・京都バス共同運行)京都駅⇒比叡山バスセンター(約65~70分)
〇京都方面から⇒叡山電車「八瀬比叡山口駅」下車徒歩3分 ケーブル八瀬駅⇒ケーブル比叡駅⇒(徒歩1分)⇒ロープ比叡駅⇒比叡山頂駅⇒(徒歩6分)バス停留所比叡山頂⇒比叡山シャトルバスで山内各所へ
〇大津方面から(京阪電車)⇒京阪電車石山坂本線「坂本比叡山口」駅⇒江若バス(約4分)⇒ケーブル坂本駅⇒坂本ケーブル(約11分)⇒ケーブル延暦寺駅
〇大津方面から(JR湖西線)⇒JR湖西線「比叡山坂本」駅⇒江若バス(約7分)⇒ケーブル坂本駅⇒坂本ケーブル(約11分)⇒ケーブル延暦寺駅
駐車場
境内MAP
Webサイト
https://www.hieizan.or.jp/
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比叡の大護摩
■奉修日 令和6年5月18日(土)~19日(日) 
■事前護摩木受付(締切3/29迄) 
 公式サイト https://hiei-oogoma.jp/

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