「歴史を繋いだ想いを未来へつなげる」日本文化の魅力交流ポータル

  • Instgram
  • facebook

平安時代から地域を見守る巨大なお薬師さん

いいね 0

よけいじ

餘慶寺

岡山県瀬戸内市

  • 行きたい
  • 行った
餘慶寺のご本尊・薬師如来坐像は、今から1000年以上の昔に造られた中国地方を代表する巨像です。ご本尊を中心として山上に屈指の大伽藍を構える餘慶寺の姿は、多くの民衆の支えによって守られてきたと餘慶寺のご住職のみなさんは言います。境内のたくさんの文化財に触れながら、民衆に守られてきた餘慶寺の歴史の魅力を体感していきましょう。

巡りポイント

最盛期には7院13坊を数える大伽藍を山上に形成した餘慶寺の境内には、数々の文化財が伝えられています。貴賤を問わず信仰された大伽藍を巡り、境内に残る文化財の魅力に触れてみてください。

薬師堂

  • 薬師堂
  • 薬師堂
  • 薬師堂
  • 薬師堂
  • 薬師堂
  • 薬師堂
  • 薬師堂
  • いいね

中国地方を代表する巨大な薬師如来坐像

享保19(1734)年に再建されたという薬師堂には、10世紀頃の造立とされる薬師如来坐像がおまつりされていた。現在は、薬師堂の裏に収蔵庫が建立され、他の仏像とともに収蔵庫内におまつりされる。薬師如来坐像は像高182cm、重量350kgにもなる一木造の巨像である。かつて全身が金箔で覆われていたが、薬師如来像に触ると病気が治るとの伝承があり、膝の部分を中心に金箔がはがれているという。薬師如来坐像の右手には、平安時代前期に造立された聖観音菩薩立像がおまつりされる。左手には、平安時代後期に造立された十一面観音菩薩立像がおまつりされる。この像は、材質が固く彫刻しにくいケヤキ材を用いた一木造の珍しいお像で、何らかな神木を用いた仏像であると考えられている。また、近年の調査で平安時代の造立だと目される地蔵堂の本尊、地蔵菩薩立像も収蔵庫内に移されている。薬師如来坐像と聖観音菩薩立像は国指定重要文化財、十一面観音菩薩立像は岡山県指定重要文化財に指定されている。

感想■収蔵庫内の中央にどしっと座る薬師如来像の威厳あるお姿に見とれました。見る角度や拝観するときの気持ちにより優しく穏やかな眼差しにも、厳しく威厳ある表情にも感じられる薬師如来坐像のお姿が魅力です。ご住職によると、餘慶寺が火災に巻き込まれた際、このお薬師さんを僧侶と地域の人々一丸となって安全な場所まで運び出したと伺いました。重量が350kgにもなる巨像を運び出した当時の人々の姿に驚嘆です。

本堂(国指定重要文化財)

  • 本堂(国指定重要文化財)
  • 本堂(国指定重要文化財)
  • 本堂(国指定重要文化財)
  • 本堂(国指定重要文化財)
  • いいね

極彩色の装飾と葡萄の彫刻に彩られる本堂

本堂は永禄13年(1570)に建立された建物で、国指定重要文化財に指定されている。堂内中央には千手観音菩薩立像がご本尊としておまつりされる。33年に1度ご開帳される秘仏であり、前回は平成24年(2012)にご開帳された。このご本尊には参勤交代で江戸に赴いた池田公が重病の折り夢に姿を現わし、池田公が祈ったところ病気が平癒したという逸話が残る。この逸話により池田家による庇護があつくなり、伽藍が整備されたという。本堂内陣には千手観音をおまもりする仏さまの姿が壁面に描かれ荘厳な空間が広がる。また千手観音菩薩立像がおまつりされる須弥壇には葡萄が彫刻されて珍しい。

感想■山上に建つ本堂の威風堂々たる立ち姿は非常にかっこよかったです。堂内を彩る壁画や葡萄の彫刻も精緻で美しく魅力的です。ご本尊のご開帳のおりに訪れたいです。

三重塔(岡山県指定重要文化財)

  • 三重塔(岡山県指定重要文化財)
  • 三重塔(岡山県指定重要文化財)
  • いいね

放火を乗り越えそびえ立つ大きな塔

江戸時代、1815年に再興された建物である。初層と二層目はまっすぐに伸びる並行垂木、三層目は放射状に出ている扇垂木。また、初層はケヤキ、二層、三層目はヒノキという、造りと材質が3層とも異なっているのが特徴である。20年ほど前に放火されたが、全焼を免れた。

感想■層ごとに建築様式と材木の種類が異なっていることがおもしろいと思いました。また、懸命な消火活動により三重塔が焼失を免れたとお聞きし、文化財を守ることの難しさを改めて実感しました。

report

学生レポート

立命館大学生命科学研究科1年

薬師如来坐像のそのお姿に心が震えました。大きさ故の雰囲気、そこからくる圧倒的なオーラ、それなのに優しく親しみやすい心地がしました。美術史的な視点はあまり持ち合わせていないため、国指定と県指定文化財の違いが分からないことがありますが、そうした違いもこの薬師如来坐像は超え、そのお姿のかっこよさからその場を動くことができませんでした。

history

ご由緒

天平勝宝元(749)年に「日待山日輪寺」として報恩大師により開かれた。その後荒廃していた寺を、9世紀ごろに慈覚大師円仁によって復興され、「本覚寺」と名前を変えた。その後室町時代頃に、「上寺山餘慶寺」という寺号になったと伝わる。江戸時代には岡山藩主・池田氏の庇護のもとでおおいに栄え、最盛期には7院13坊を数える大伽藍となったそう。境内には平安時代からの様々な仏像が大切に守り伝えられている。

info

参拝情報

名称
上寺山餘慶寺
(うえてらさんよけいじ)
所在地
岡山県瀬戸内市邑久町北島1187
googleMAP
参拝時間
要確認
拝観料
要確認
宗派
天台宗
御本尊
千手観音
宝物殿
要確認
アクセス
公共交通機関
■JR赤穂線「大富」駅から徒歩約20分
タクシー
■西大寺駅から10分
お車
■岡山ブルーライン・西大寺ICから5分
駐車場
無料駐車場20台あり(大型バス対応)
境内MAP
Webサイト
https://yokeiji.or.jp/
SNS
  • Instgram

近くの寺院を巡ろう