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神と仏、そして人々が出会うお寺

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まんぷくじ

萬福寺

宮崎県東諸県郡国富町

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神話の時代から現在に至るまで、萬福寺には様々な人々が集い、にぎわう場所となっています。神話と最澄さんとの出会いから始まった萬福寺には、数々の出会いを象徴する歴史や文化財が伝えられています。

巡りポイント

萬福寺は唐へ留学するために九州に滞在していた伝教大師最澄が山幸彦の逸話に感銘を受けお堂を建立したことに始まる寺院です。1000年以上の歴史を誇る萬福寺の境内は、四季の花々と人々の笑顔に彩られております。

本堂

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山幸彦の逸話に由来する「三弓堂」

萬福寺の由来は、三弓堂(みつゆみどう)の回向堂であると伝えられている。萬福寺の近隣に今も伝えられている三弓堂には山幸彦と伝教大師それぞれの逸話が伝えられている。山幸彦が狩りの際にお昼休憩をしていると犬が吠え続け、犬を弓で撃ち殺してしまった。犬が激しく吠えていた理由がわからぬまま後ろを振り向くと、大きな熊が山幸彦を今にも襲おうとしていた。山幸彦は手にしていた弓矢で熊を成敗し、先程自分が殺してしまった犬が自分を守るために激しく吠えていたことに気がつき心を痛め、弓と矢を3つに折り、犬と熊の遺骸とともにこの地に埋葬したと伝えられている。この逸話に感銘を受けたのが唐へ留学するために九州を訪れていた伝教大師。伝教大師は逸話に登場する犬と熊が成仏できるように三弓堂を建立したという。回向のためのお堂を由来とすることから萬福寺のご本尊は阿弥陀如来坐像である。本堂中央には、収蔵庫へと移られたご本尊に代わる阿弥陀如来坐像がおまつりされている。その脇には、萬福寺や近隣のお寺から萬福寺に移されたという様々な仏さまがおまつりされている。

感想■山幸彦の伝承に心を打たれた伝教大師が建立した寺院であることを聞きました。神々の世界と1200年前の時間軸が交差している萬福寺の歴史に圧倒されるとともに、その歴史が1200年以上もの時を越えて今を生きる私たちに伝えられていることが素敵だなと思いました。

阿弥陀三尊像(国指定重要文化財)

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カヤで造られた鎌倉時代の阿弥陀三尊

カヤの一木造りの阿弥陀三尊像である。中央に阿弥陀如来坐像をその両脇を勢至菩薩立像・観音菩薩立像が固める。阿弥陀像の像内腹部の銘から、寛喜四年(1232)に僧澄円の勧進により大仏師僧聖賢によって造立されたことが分かる。カヤの木肌を活かした素地の像である。毎年正月と梅の花が咲く2月にお声がけいただいた方に御開帳している。

感想■カヤ材の木目がみえる像で、衣の彫りはなめらかに表現されていました。優しい表情で三尊が並ぶと安心感を感じられるとともに、木の持つ力強さも感じることのできる像であるように感じました。

枯山水式庭園(楽山園)

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人々の憩いの場所に樹齢数百年の梅の古木が枝を広げる

庭園の中央にある梅の古木は樹齢300年くらいだとされている。2月になると枝一面に綺麗な花を咲かせる。夏には新緑が綺麗で季節によってまた違った美しさも見せてくれる。吉野の石や京都の白川砂、北山杉などを配置し、遠くに見える鰐塚山を借景としている庭園である。

感想■この広間では、庭園を見ながらヨガをおこなったり、お琴の演奏会を催したりしているそうです。お寺の玄関口を広げ、お寺が思い出の場所になってくれることを願っていることを聞き、この場が様々な人々の拠り所となっているのだと感じました。

まんぷく食堂

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お寺が地域のみなさんの心の支えとなれる場所を目指して

萬福寺では定期的に『まんぷく食堂』が開催されている。地域のみなさんが気軽に安心して訪れる事ができるようにという願いを込めて始まったまんぷく食堂では、食事や野菜がふるまわれるほか季節にあわせた様々なイベントが開かれている。まんぷく食堂には地域のみなさんが集い、たくさんの方々の笑顔が溢れている。

感想■まんぷく食堂が開かれている日に訪れることができました。まんぷく食堂に訪れる地域の子供たちの笑顔にあふれており、あたたかくどこかほっとするような雰囲気が広がっていました。まんぷく食堂では、季節にあわせて様々な催しが開かれているそう。地域のみなさんが穏やかに交流するまんぷく食堂にいつかまた訪れたいと思いました。

report

学生レポート

奈良大学文学部文化財学科3年

萬福寺でお話を聞き、歴史の深さに驚くとともに安心して交流し相談できる場として作る「まんぷく食堂」や庭園を使った行事等お寺でどうやって地域のみなさまの手助けになるかを強く考えている寺院であるのだと感じました。お寺が中心となり様々な人々が集い交流の輪が広がりこれまでの伝統文化が受け継がれているだけでなく、新たな視点や要素が加わり層の厚い文化が紡がれていくように思いました。

history

ご由緒

萬福寺は今からおよそ1200年前の延暦22年(803)に開かれたと伝えられているお寺である。山幸彦とその飼い犬の悲哀の話に心を打たれた伝教大師最澄がお堂を建立したことからはじまると伝えられている。萬福寺には、鎌倉時代の寛喜4年(1232)に造立された阿弥陀三尊像がおまつりされ、このお像は国指定重要文化財に指定されている。

info

参拝情報

名称
犬熊山萬福寺
(けんゆうざんまんぷくじ)
所在地
宮崎県東諸県郡国富町本庄2097
googleMAP
参拝料金
志納
宗派
天台宗
御本尊
阿弥陀如来
宝物殿等
なし
アクセス
■JR宮崎駅から車で約35分
■東九州自動車道 宮崎西ICから約25分
         国富スマートICから約10分
■JR宮崎駅から宮崎交通バス「国富・綾」行きで約40分、「萬福寺」バス停下車、徒歩3分
駐車場
有り

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