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奥州藤原氏が願った平和への想い

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ちゅうそんじ

中尊寺

岩手県西磐井郡平泉町

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中尊寺を造営した奥州藤原氏初代の藤原清衡は、中央出身の父と蝦夷一族出身の母を持ち、中央政府と蝦夷との戦争に巻き込まれ、奥州の覇者となる過程で多くの肉親を失いました。清衡公は中尊寺や金色堂を造営することによって、戦乱で亡くなった命を平等に供養し、平泉に極楽浄土のような理想郷を作り上げることを願ったのかもしれません。奥州藤原氏の平和への願いに触れてみましょう。

巡りポイント

中尊寺には、国宝に指定されている金色堂をはじめとした奥州藤原氏の文化がたくさん残されています。お寺を回ることで藤原氏の栄華を味わることができるとともに、仏に願う厚い想い感じてみましょう。

金色堂(国宝)

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奥州藤原氏の栄華を今に伝える国宝

中尊寺を代表する文化財である金色堂は、天治元年(1124)に建立された。 堂の内外は全面的に金箔で覆われ、内陣の柱や組物、須弥壇などは螺鈿・蒔絵・金具で飾っており、奥州藤原氏の栄華を今に伝えていいる。堂内の仏像も奥州藤原氏の造像で、すべて国宝に指定されている。須弥壇の下には現在も奥州藤原氏三代の遺体が安置されている。

感想■キラキラと派手なお堂であるのだと思っていたのですが、実際に見てみると金箔の輝きはあるものの落ち着き重みのある輝きであり、螺鈿等が散りばめられたお堂は重厚な重みを感じました。現在も藤原氏がここに眠っていることを聞き、自然と安らかな気持ちになるように思いました。

旧覆堂(国指定重要文化財)

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金色堂を長年守ってきた建物

今なお平安の輝きを保っている金色堂は、奥州藤原氏滅亡後の鎌倉時代にはすでに金色堂を未来に保存しようとする動きが見られた。それが、金色堂を守る覆堂の造営である。現在の建物は室町時代のもので重要文化財に指定されている。昭和の大修理までは、この覆堂が金色堂を風雨から守っていた。

感想■現在にまで続く金色堂の輝きが、このお堂のおかげによるものであることを聞き、ありがたい存在であると感じました。お堂を守ってきた先人たちの息遣いを感じることのできる文化財であると思いました。

宝物館「讃衡蔵(さんこうぞう)」

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奥州藤原氏ゆかりの文化財の数々を守り展示する

中尊寺の宝物館には讃衡蔵という名前がついている。奥州藤原氏は代々、名前に「衡」という字を用いてきた。そんな奥州藤原氏を「讃」えるという意味が込められている。中尊寺の各堂舎で祀られていた奥州藤原氏時代の仏像や荘厳具、藤原氏の日用品などが展示されている。

感想■さまざまな仏像や荘厳具等が展示されていました。さまざまなものに金や螺鈿といった高価な装飾が施されており、藤原氏の誇った栄華を感じられました。またこれだけのすばらしいものを造った藤原氏の仏教に対する厚い帰依を感じることができました。

経蔵(国指定重要文化財)

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奥州藤原氏が作った一切経を納めていた建物

建武四年に火災に遭い、平安後期の古材を用いて再建されている。堂内には創建時の彩色文様が残され、三方七段の経架の柱頭・柱脚には木製漆箔の蓮弁座が添えられている。騎獅文珠五尊像や紺紙金字一切経等が安置されていたが、現在讃衡蔵に安置されている。

感想■お堂の中をよく見てみると、至るところに平安時代の彩色が残っていました。さまざまなところに藤原氏の息吹を感じることができるのは中尊寺の凄いところであると感じました。

本堂

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藤原清衡の発願した丈六釈迦如来を再興した釈迦如来

中尊寺の中心道場で、明治四十二年に再建された。一山法要のほとんどがこの本堂で勤修される。本尊は丈六の釈迦如来坐像である。中尊寺の大壇主である藤原清衡が鎮護国家大伽藍の本尊として安置したことにちなみ再興された。中尊寺経の見返し絵にちなみ説法印を結ぶ。東日本大震災により本堂も壁が壊れる等の被害を受けた。このようなときにこそ手を合わせる仏さまが重要であるとして平成二十五年に完成した。

感想■本堂の釈迦如来像が東日本大震災の被害を受けた後に、こういうときだからこそ造ろうとの思いから造られたということを聞きました。自らのことだけでなく、他人のことも思いやる自利利他の考え方の重要性を感じることができたように思いました。

report

学生レポート

奈良大学・三年

実際に金色堂を見てみると、個人的には金色で覆われていることでの美しさというものよりも、内陣の柱の仏画や螺鈿細工などのきめ細やかな美しさがちりばめられていることの方に強く感動し、いつまでも見ていられるように感じました。螺鈿細工に必要な貝や紫檀といったものは奥州にはなく、遠く離れた場所との交易がこの地において盛んに行われていたことや様々な技法を用いられているということは、技術的にも高度であり様々な工人やそれに伴う人々も訪れ暮らしていた文化的にも発達していた地域であったことを示しているように思いました。また令和2年の修理、昭和の大修理だけでなく、旧覆堂が造られているなどさまざまな時代において修理を願う人々がいて、それらの人の思いがあったからこそみちのくのこの地にこのお堂が残ったのだと感じました。(2022年5月28日)

history

ご由緒

寺伝によれば、平安時代前期の嘉祥三年(850)、慈覚大師円仁による開山。平安時代末期の長治二年(1105)、奥州藤原氏初代の藤原清衡によって造営。文治五年(1189)、源頼朝によって奥州藤原氏が滅ぼされて以後、次第に荒廃していく。江戸時代に入ると仙台藩のあつい保護を受け、多くのお堂が再建される。

info

参拝情報

名称
関山中尊寺
(かんざんちゅうそんじ)
所在地
岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202
googleMAP
参拝時間
3月1日〜11月3日 8:30~17:00
11月4日〜2月末日 8:30~16:30
拝観料
令和6年3月31日まで
大 人 800円
高校生 500円
中学生 300円
小学生 200円
令和6年4月1日より
大 人 1,000円
高校生 700円
中学生 500円
小学生 300円
※障害者手帳提示で半額
※30名以上1割引
宗派
天台宗
御本尊
釈迦如来
宝物殿
あり(讃衡蔵)
アクセス
JR「平泉駅」から徒歩20分
駐車場
有(有料)
境内MAP
Webサイト
https://www.chusonji.or.jp/
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