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400年前に整備された荘厳な霊穴に圧倒される

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みょうえんじ

妙圓寺

神奈川県平塚市

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今よりおよそ300~400年近く前、住職4代にわたり掘り進められた霊穴が残されている寺院があります。神奈川県平塚市に伽藍を構える妙圓寺には、祈りを捧げる人々が数多く訪れます。人々を魅了する妙圓寺や境内に伝わる霊穴の魅力に触れてみませんか。

巡りポイント

妙圓寺は、今よりおよそ400年前の元和元年(1615)年に中興されて以来、境内が整備されてきたといいます。本堂には美しく親しみやすいお像の数々が、ひんやりとする霊穴の内部には宇賀神像や伝教大師、大日如来などの石仏の数々がおまつりされています。たくさんの魅力にあふれる境内に足を進めると、居心地の良いゆったりとした空間が広がっています。

阿弥陀如来坐像

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金色に光り輝く阿弥陀如来をまつる

妙圓寺の現在の本堂は、約270年前の延享2年(1745年)に再建された建物と伝わる。堂内中央には、金色に光り輝く阿弥陀如来坐像をおまつりしている。本尊である阿弥陀如来坐像について詳しい事は判明しておらず、妙圓寺が中興された時期に本尊とされたという。造立された時代ははっきりとせず、江戸時代に造立されたとも、それ以前に造立されたとも考えられている。なお、ご本尊をまつる須弥壇や前にある机は享保年間に制作されたものという。

感想■ろうそくのオレンジ色の光が反射し、おぼろげに光り輝くご本尊の姿は美しく神々しくもありました。遠くから見るときと近くで見るときで表情や横顔が変化しているように感じ、今にも私たちに語りかけてきそうな親しみを覚えるお像でした。

本堂におまつりされる諸尊

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様々なお像がおまつりされる魅惑の空間

ご本尊に向かって左の脇壇には、妙圓寺のもともとのご本尊であったという薬師如来立像と日光・月光菩薩、十二神将立像などがおまつりされる。薬師如来立像は行基による造立と伝え、裏手の山中にあった薬師堂におまつりされていた。平成22年までの数年間、薬師三尊像と十二神将立像の修復がおこなわれた。薬師三尊像の前には、他のお堂や個人より移ってきたという二天立像や地蔵菩薩立像がおまつりされている。右の脇壇には、不空羅索観音像と考えられている観音像や不動明王像、元三大師像など様々なお像がおまつりされている。

感想■ご本尊の周囲を見渡すと、様々な仏さまがおまつりされ、驚きました。1躯1躯に個性があり、美しい漂わせるお像もあれば、勇ましい忿怒の表情をとるお像もありました。参拝者の方々が思い思いのお像に手を合わせている姿が印象的でした。

色鮮やかな吊るし雛と手毬

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参拝者に愛される色鮮やかな荘厳

本堂の外陣では色鮮やかな吊るし雛と手毬が参拝者を出迎える。中でも手毬は山本タカさんが制作されたもので、一つとして同じ模様の手毬はないという。これらの色彩豊かな手毬や吊るし雛に彩られる空間を目当てに訪れる参拝者も多いという。

感想■一つとして同じ模様のない手毬の美しさに感動しました。色の組合わせ方もおもしろく、時間が経つことを忘れてじっくり1つ1つ見入ってしまいました。お気に入りの手毬を見つけてみてはいかがでしょうか。

辯天堂(寳珠殿)

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釘を使わずに建てられた名建築

崖の上に立つ辯天堂は文化元年(1804年)12月、村内の宮大工・横山七郎左衛門により建立されたという。辯天堂は「一本くさび工法」という釘を使用しない工法により建立されているという。堂内中央には、江戸時代に江戸より移されてきたという八臂宇賀辯財天像がおまつりされる。また、正面右上におまつりされる辯財天像は妙圓寺を中興した舜尭法印の念持仏と伝わる。また、不動明王や観音菩薩立像もおまつりされている。

感想■これほどの建物が釘を使用せずに建てられていることに驚きました。また、その建物が200年以上伝えられていることは圧巻です。まつられている辨財天像は彩色が豊かで美しかったです。

岩屋霊穴

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400年前に整備された荘厳な霊穴

妙圓寺の境内にある岩屋霊穴は、妙圓寺が中興された約400年前より整備が始まったという。その後、4世広然法印の時代までに現在の姿になったという。霊穴内には宇賀神像を中心に伝教大師や天台大師、大日如来像など石仏群とともに比叡山にある不滅の法灯の分灯がまつられている。霊穴の上部に位置する辨天堂とともに土屋銭洗辯財天と称され信仰をあつめている。毎年10月には、秘仏の宇賀神像に御香を含む温めたお酒をそそぎ祈願する秘法「浴酒供」がおこなわれている。

感想■全長50mほどとされる霊穴を進んでいくと、その壁面に無数の鏨(たがね)の跡が残されていることに気がつきました。機械のない時代にこれほどまでに長い洞窟を掘った先人達の熱意を感じました。

report

学生レポート

立命館大学生命科学研究科2年

霊穴内の壁面に残る無数の鏨の跡が印象に残っています。機械もない時代によくぞここまでの長大な洞窟を掘ったと驚愕しました。当時の人々の辨財天や宇賀神に対する信仰のあつさを感じました。毎年10月には浴酒供という秘法が行われるそうなので、ご縁があれば是非参列してみたいです。

history

ご由緒

創建された詳細な時期は不明だという。元和元年(1615年)当地の有力者であった水嶋五郎右衛門の母・月盛妙圓禅尼の援助を受け舜尭阿闍梨により中興されたという。妙圓寺が中興された際、境内に岩屋霊穴が整備されたという。4代目の住職の頃まで整備が続いたという霊穴は長さ50mにもなり、宇賀神像を中心に様々な石仏がまつられている。毎年10月には、岩屋霊穴内にて秘仏の宇賀神像にお香入りの酒をかける秘法「浴酒法」がおこなわれ多くの参拝者が妙圓寺に集う。

info

参拝情報

名称
和光山妙圓寺
(わこうさんみょうえんじ)
所在地
神奈川県平塚市土屋1949
googleMAP
参拝時間
9:00〜17:00(冬季 16:00まで)
拝観料
無料
いつでもご自由にお参りください
宗派
天台宗
御本尊
阿弥陀如来
宝物殿
アクセス
■バス
「平塚駅北口バス停」から約26分 「妙円寺前(旧:早田寺前)」にて下車ください。

■お車
(名古屋方面からお越しの方)
東名高速道路「秦野中井IC」から約10分 「神奈川県道71号」を南へ、東名高速高架を潜ってすぐに左折
高速沿いの細い道を直進、右折して「県道77号」を進み、「神奈川大学入口」を左折
(東京方面からお越しの方)
東名高速道路「厚木IC」から「小田原厚木道路」を経由、「平塚IC」から
「62号線」を進み「県道77号」へ、「神奈川大学入口」を左折
駐車場
妙圓寺駐車場 ※年末年始・行事の際など混雑時には、駐車いただけない場合がございます。
境内MAP
Webサイト
https://benten-myouenji.jp/
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