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観音菩薩の浄土を目指して

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ふだらくさんじ

補陀洛山寺

和歌山県東牟婁郡那智勝浦町

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紀伊半島のほぼ最南端に補陀洛山寺はあります。平安時代から江戸時代の半ばにかけて、海の先にある観音菩薩の浄土を目指した多くのお坊さんが、このお寺から南の海へ船を進めました。平安時代に造立されたご本尊・千手観音菩薩立像は、現在も海の先へ眼差しを向けています。
  • 本堂正面写真

巡りポイント

平成16年(1994年)に「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成遺産として世界文化遺産に登録されている補陀洛山寺。熊野信仰の拠点であるその境内には、神と仏が共存する信仰の一端が秘められています。

那智参詣曼荼羅

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熊野信仰の聖地である熊野参詣を描いた社寺参詣曼荼羅

那智参詣曼荼羅図は熊野那智参詣隆盛時の様子や賑やかさを感じ事ができ、歴史上の人物を配して補陀洛渡海の上人の海中他界、山中他界も感じることができる物語にもなっております。

補陀洛渡海上人のお墓

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    渡海上人のお墓
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補陀洛渡海に出られた方々のお墓、供養塔が建立されている

補陀洛山寺の裏山にある歴代上人のお墓。また、平維盛と平時子の供養もある。

本堂

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室町時代の様式で再建された堂々たる大堂

補陀洛山寺は、那智七本願の1つとして大いに隆盛を極めたという。しかしながら、文化5年(1808)の台風で伽藍に大規模な被害が生じた。その後仮本堂の時代が続いたが、平成2年(1990)11月に金剛組により再建された。再建にあたり、室町時代の様式を用いた高床式四方流宝形型の建築としたという。

感想■参道を進むと正面に見えてくる補陀洛山寺の本堂。どっしりと構え私たちを迎えるその姿は、那智七本願として大いに繁栄した古刹の遺風を醸し出していました。

三貌十一面千手千眼観世音菩薩(国指定重要文化財)と二天王立像

  • 三貌十一面千手千眼観世音菩薩(国指定重要文化財)と二天王立像
  • 三貌十一面千手千眼観世音菩薩(国指定重要文化財)と二天王立像
  • 三貌十一面千手千眼観世音菩薩(国指定重要文化財)と二天王立像
  • 三貌十一面千手千眼観世音菩薩(国指定重要文化財)と二天王立像
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珍しいお姿の千手観音さまと寺内最古と目される二天王立像

本堂中央、厨子の内部には、ご本尊・三貌十一面千手千眼観世音菩薩立像がおまつりされる。この像は、平安後期、香木を材料に造立されたと伝えられ、国の重要文化財に指定されている。ご本尊の特徴は、正面を向くお顔の左右に1つずつ異なるお顔が表現されていることである。ご本尊が入る厨子の左右には持国天立像と広目天立像がおまつりされている。もとは四天王立像として造立されたと考えられている。二天王立像はご本尊よりも古く、平安時代中期頃に造立されたと考えられている古像である。なお、ご本尊は通常秘仏であり、1月27日の立春の節分会、5月17日の渡海上人供養、7月10日の護摩供・先祖供養の年3回、御開帳される。

感想■彩色が施されおらず造立された材木の質感が残るご本尊のお姿は、紀伊半島の豊かな自然の中で育まれた熊野信仰を象徴しているようでした。また、どっしりとした体格で優しい眼差しを向けるご本尊の姿からは、願いや悩みを受け止めてくれる安心感を感じました。是非1年に3回ご開帳されるご本尊にお会いしてみてください。

補陀洛渡海舟

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    補陀洛渡海船
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    補陀洛渡海船
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観音さまの世界、南方補陀落浄土への旅

本州最南端の地にある補陀洛山寺は、かつてお寺の目の前が浜辺であったという。その浜辺より、補陀洛山寺の歴代の上人は南の海の彼方にあるという観音菩薩の浄土「南方補陀落浄土」を捨て身で目指したという。この宗教儀礼を「補陀落渡海」という。貞観10年(868年)から江戸時代中期頃(1722年)まで20数回ほど行われたと伝わる。境内には、補陀落渡海に使用されたという渡海船が復元されている。船の全長は6メートルほど。和船の上に入母屋造の箱が置かれ、その四方に鳥居が4基たてられている。この鳥居は、「発心門」、「修行門」、「菩薩門」、「涅槃門」の死出の四門を表しているという。境内の「補陀落渡海記念碑」には補陀洛渡海をされた歴代の上人の名前を記す。

感想■観音菩薩の浄土を目指し、身を捨てて行う補陀洛渡海。補陀洛山渡海をされた歴代の上人をはじめ、当時の人々の熱い信仰心を垣間見ることができました。観音さまの霊場であり補陀洛渡海の出発地である那智の地が観音菩薩を信仰する上で重要な場所であることを肌で感じる場所でした。

report

学生レポート

立命館大学生命科学研究科1年

ご本尊である千手観音さまのお姿が印象強く心に残っています。正面のお顔の左右にお顔がある三面千手の珍しいお像で、どっしりとしており、やさしいお顔立ちの優美な印象にもかかわらず、どこか厳しい視線を感じさせる不思議な雰囲気を持った観音さまでした。補陀落渡海をする人々は出航する前にこの観音さまを拝んで出航したといわれているそうですが、どのような心境で観音さまを見ていたのか、想像が膨らみます。

history

ご由緒

4世紀頃、仁徳天皇の時代にインドから来た裸形上人によって開かれたと伝える。奈良朝時代の貞観10年(868年)から江戸時代中期(1722年)まで、南の海の先にあるとされる観音菩薩の浄土を目指し、20数回補陀洛山渡海という宗教儀礼が行われたことで知られる。ご本尊をはじめ、平安時代に造立された仏像をおまつりしていることでも知られる。

info

参拝情報

名称
白華山補陀洛山寺
(びゃっかさんふだらくさんじ)
所在地
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町浜ノ宮349
googleMAP
参拝時間
開門時間(回向・祈祷・御朱印受付) 8時半~16時
内陣・曼荼羅絵解き解説受付 8時半~15時半
拝観料
拝観無料
内陣・曼荼羅絵解き解説 お一人様500円
宗派
天台宗
御本尊
三貌千手千眼観世音菩薩
宝物殿
アクセス
JRきのくに線 那智駅下車 徒歩5分
紀伊勝浦駅から熊野御坊南海バス 那智山行きで約10分
駐車場
補陀洛山寺駐車場30台
Webサイト
https://fudarakusanji.or.jp
SNS
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備考
世界遺産登録20周年記念の特別御朱印頒布中。無くなり次第終了。

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