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珊瑚のように美しい四季折々の景観に彩られる古寺

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さんごじ

珊瑚寺

群馬県前橋市

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珊瑚と名のつくように、美しい花々や鮮やかな建築に境内が彩られる古刹が群馬県にあります。珊瑚寺という美しい名前のこのお寺は、今から900年前、鎌倉時代の有名な武士の縁者であった一人の尼により境内が整えられました。そのような珊瑚寺の境内には、珊瑚寺の七不思議というようにたくさんの逸話が残されています。境内を巡り、逸話に秘められた珊瑚寺の歴史をひもといていきましょう。

巡りポイント

珊瑚寺の境内はたくさんの「色」にあふれています。四季折々、時間によって「色」が移り変わる境内の風景はまさに必見です。

本堂

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珍しい座り方をする美しい阿弥陀さま

日光山を開いた勝道上人により開かれたとされる珊瑚寺の本堂中央には、ご本尊である阿弥陀如来像がおまつりされる。昭和12年(1937)の本堂焼失後、昭和26年(1951)に本堂が再建されたときからご本尊としておまつりされる。半跏坐の珍しいお姿だが、なぜ珊瑚寺におまつりされているのか等、来歴は明らかではない。

感想■金色に光り輝くご本尊の優しいお姿に言葉を呑みました。特に身につけている衣のなめらかな彫刻表現が圧巻でした。

地蔵堂

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精緻な彫刻と鮮やかな彩色が目を引く

珊瑚寺を開山した勝道上人の旧跡をたどり、鎌倉時代の建久6年(1195)頃、「梶原鍵時の女」がこの地を訪れた。そしてこの地に地蔵菩薩をおまつりする小堂を建立したという。その名残を示すように境内には地蔵堂が建つ。現在の地蔵堂は宝暦4年(1754)に前橋藩主が再建したもの。棟札には、下野国芳賀郡興能村の黒崎勝右衛門が大工の棟梁であったことが記されている。日光東照宮の大改修に携わった一流の宮大工が携わったと考えられており、群馬県で唯一の霊獣「白澤(はくたく)」の彫刻など精緻な彫刻に彩られる。堂内中央には、子育て地蔵菩薩がおまつりされ、その脇に不動明王立像と毘沙門天立像がおまつりされる。

感想■木立を進むと突如としてあらわれる煌びやかな地蔵堂。見る者を圧倒する精緻な彫刻と華やかな彩色が織りなす風景は、まさに「珊瑚寺」という寺号を表しているようでした。建物に彫刻されている彫刻の一つ一つに由来やエピソードが残り、楽しめました。地蔵堂内部、天井に描かれた草花や鳥の絵も愛らしく印象に残っています。

七不思議

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1300年の歴史の中に息づく様々な人々の痕跡

珊瑚寺の境内には、不思議なエピソードにいろどられる七不思議が残る。場所を移動させても穴の中に戻るという弘法大師ゆかりの「穴薬師」、不動明王の姿をそのままうつしたという「不動の滝」、日照りの時も水位が変わらないという「鏡池」、「鏡池」の中央にたたずみお顔が赤面すると願いが叶うという「赤面観音」、「梶原鍵時の女」とのゆかりのある「涙の梅」、善光寺信仰の「臥牛石」、子育てに御利益のあるという「乳房の銀杏」がある。

感想■境内全域に散らばる七不思議をたどっていると、珊瑚寺が開山されてからの1300年の間にゆかりのある様々な人々の息づかいを感じた心地がしました。一つ一つにエピソードが残り、いかに大事にされてきたのかがわかりました。

report

学生レポート

立命館大学生命科学研究科1年

海なし県の群馬県に、なぜ海にゆかりのありそうな「珊瑚寺」という名前のお寺があるのか疑問に思っていました。ご住職から山岳信仰の修行僧が用いる密教法具の三鈷杵(さんこしょ)が由来の「三鈷寺」が、観音経に記載のある珊瑚を用い「珊瑚寺」に転じたものだろうというお話を聞きし、お寺の名前の変遷をたどっていくことのおもしろさに目覚めました。「珊瑚寺」という名前が示すように、境内には金色のご本尊、色合い豊かな地蔵堂、花の寺と称されるように境内に咲く様々な花々があり、たくさんの色にあふれる境内をもとに、昔の人々もお寺の名前に「珊瑚」という文字を使ったのかなと思いを馳せました。

history

ご由緒

平安時代の大同二年(807)、勝道上人による創建とされる。開山からしばらくは付近の寺院と同様に山岳信仰のお寺として栄えたという。元は三鈷寺と称する。鎌倉時代、梶原景時の一族の尼がこの地に堂宇を建て源頼朝と梶原景時を弔う。室町時代の永享年間(15世紀前半)、八崎城主の長尾景仲が曹洞宗の月江上人を招いて諸堂を整備し曹洞宗の寺院となる。文明年代(1469~1487)、天台宗に改宗し、珊瑚寺と改称する。江戸時代の明暦年間(1655〜1658)に青柳大師・龍蔵寺の末寺に、文化6年(1809)には寛永寺の直末寺となった。

info

参拝情報

名称
石井山三光院珊瑚寺
(いしいざんさんこういんさんごじ)
所在地
群馬県前橋市富士見町石井1227
googleMAP
参拝時間
要確認
拝観料
境内自由
宗派
天台宗
御本尊
阿弥陀如来
宝物殿
要確認
アクセス
公共交通機関
■JR 両毛線前橋駅から富士見温泉行きバスで珊瑚寺入口下車すぐ
お車
■関越道渋川伊香保IC から国道17 号・353 号経由
駐車場
有(40台)
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