「歴史を繋いだ想いを未来へつなげる」日本文化の魅力交流ポータル

  • Instgram
  • facebook

3体の十一面観音様が人々を見守る地域憩いのお寺

いいね 0

けんりんじ

賢林寺

愛知県小牧市

  • 行きたい
  • 行った
愛知県小牧市に伽藍を構える賢林寺は地域とともに歴史を紡いできた古刹。平安時代に造立された秘仏御本尊・十一面観音様のもとには地域に暮らす人々が集い、穏やかで優しい空間が境内に広がります。

巡りポイント

堂内には、秘仏御本尊様を中心に3躯の十一面観音様がおまつりされています。さらに、獅子が支える台座に座る凛々しい菩薩様もおまつりされています。本堂の前には、近隣の幼稚園に通う子供たちが製作した『おはきものをぬいでください。』の看板。8月には地域の方々が盆踊りを行う境内には、地域の魅力が満たされています。

秘仏御本尊・木造十一面観音菩薩坐像(国指定重要文化財)

  • 秘仏御本尊・木造十一面観音菩薩坐像(国指定重要文化財)
  • 秘仏御本尊・木造十一面観音菩薩坐像(国指定重要文化財)
  • 秘仏御本尊・木造十一面観音菩薩坐像(国指定重要文化財)
  • いいね

1000年以上、藤島の人々を見守り続ける仏様

賢林寺の秘仏御本尊・十一面観音菩薩坐像は、一木造で、カヤとみられる針葉樹材を使用して造立された仏様。髪が渦を巻いて耳にかかる表現は、平安時代の9世紀~10世紀の彫刻にみられる表現であり、さらに球体状の頭部や鎬立つ衣文が見られることから、平安時代前期・9世紀後半の造像であると考えられている。全国的に見ても十一面観音さまを坐像であらわした像は少ないことに加え、当初の漆箔が多く残る点が貴重であることから、令和2年に国の重要文化財に指定された。

感想■今回特別に御開扉いただいた秘仏御本尊様のお姿から、1000年以上この地域を見守り続けてきた地域と歩み続ける歴史を感じました。存在感のあるお身体や丸いお顔、わずかに朱の入る唇など愛おしいお姿をされてますが、わずかに瞼を開き下方を見つめる眼差しには、『地域の人々を守る』という決意に満ちた迫力があるように感じられ、安心感を感じる仏様でした。

秘仏・木造十一面観音菩薩立像(小牧市指定文化財)

  • 秘仏・木造十一面観音菩薩立像(小牧市指定文化財)
    《木造十一面観音立像/平安時代》
  • 秘仏・木造十一面観音菩薩立像(小牧市指定文化財)
    《木造十一面観音立像/平安時代》
  • 秘仏・木造十一面観音菩薩立像(小牧市指定文化財)
    《木造十一面観音立像/鎌倉時代》
  • 秘仏・木造十一面観音菩薩立像(小牧市指定文化財)
    《木造十一面観音立像/鎌倉時代》
  • いいね

平安時代と鎌倉時代に造立された麗しの観音様

秘仏御本尊の左右には、2躯の十一面観音様がおまつりされている。

 

向かって右側に安置される十一面観音菩薩立像は、ヒノキ材の一木造の仏様。伏し目で温和な表情をしており、体の表現は薄く、衣文の表現も浅く柔らかく表現されていることから、平安時代12世紀頃の造像であると考えられている。

 

向かって左側に安置される十一面観音菩薩立像は、ヒノキ材の割矧ぎ造の仏様。平安時代の十一面観音菩薩立像と比較し、顔が小さくより凛々しい表情をしており、衣の動きも動きが感じられ、より写実的な印象を受ける。鎌倉時代13世紀頃の作であると考えられているという。

感想■なぜ十一面観音様が賢林寺に集っているのか?残念ながら、史料がほとんど伝えられておらず詳しいことは分からないそうです。造立されてから1000年以上の歴史を伝える仏様が大切に守り伝えられていること、そこに地域の皆さんの想いが込められているように思います。地域とともに歩みを進める十一面観音様のお姿に、藤島地域の悠久の歴史を感じました。

秘仏・木造菩薩坐像

  • 秘仏・木造菩薩坐像
  • 秘仏・木造菩薩坐像
    台座に隠れる獅子
  • いいね

秘められた歴史に彩られる凛々しい仏様

秘仏御本尊様と並び安置されている菩薩坐像。獅子が支える台座の上に座り、頭部には金属でできた豪華な宝冠を乗せ、首元の瓔珞(ようらく)が菩薩様を飾る。どのような仏様なのか詳細は不明であるが、凛々しいお姿が特徴である。

感想■すらっとしたお身体と凛々しいお顔が魅力的な仏様でした。菩薩様が座る台座の下の隙間には獅子が隠れており、どこかおどけているように思える獅子の表情に頬が緩みました。

幼稚園の子供たちによって書かれた可愛らしい看板

  • 幼稚園の子供たちによって書かれた可愛らしい看板
    幼稚園の子供たちによる『おはきものをぬいでください。』の看板
  • 幼稚園の子供たちによって書かれた可愛らしい看板
    山門
  • 幼稚園の子供たちによって書かれた可愛らしい看板
    本堂
  • 幼稚園の子供たちによって書かれた可愛らしい看板
    巨大な木魚
  • いいね

地域とともに歩み続ける賢林寺

賢林寺は地域の皆さんとともに歩みを進めるお寺。日ごろから、地域の皆さんが力を合わせてお寺を守り伝えているという。8月には、境内にやぐらを建て地域の皆さんで盆踊りを踊るなど、境内が地域の皆さんの憩いの場所となっている。

 

本堂の前には、近隣の幼稚園に通う子供たちによって製作された『おはきものをぬいでください。』の看板が置かれている。お寺の境内が幼稚園生たちの集合場所として親しまれているご縁で、幼稚園生に書いてもらっているそう。かわいらしい子供たちの字の方が心に響くのか、お参りいただく皆さんもきちんと靴を脱いで本堂の中へ入ってくださるのだとか。

 

また、本堂の中に安置されている、大きな木魚もお参りいただく皆さんに人気となっている。

感想■今回訪問させていただき、地域の皆さんに愛されているお寺であると強く感じました。本堂前の愛くるしい看板は、地域とともにある賢林寺の歴史を象徴しているように思え、鳥がさえずり穏やかな空気に満たされる賢林寺に再び訪れたいなと思いました。福島県出身で東日本大震災の風化を防ぐ活動をされているご住職のお人柄も素敵で、いつかまたお参りしたいです。

report

学生レポート

奈良大学大学院1年

お寺全体が明るく迎えてくれているような印象を受けました。本堂の前にあります幼稚園生たちが記した看板は、このお寺が幅広い年代の方に愛されているお寺なのだと感じました。そのような中で、笑顔で優しく私たちにお話しされるご住職のお姿が印象に残りました。ご住職ご自身は他の場所から来られ、この地域の方は優しく迎えてくださったとのことでしたが、ご住職の優しい笑顔が周りの人々を集め、地域の方々との壁をないものとしているからこそ、このような関係を作ることができているのだと思うとともに、ご本尊さまをはじめとする仏さま方が結んでくれたご縁の力なのだと思いました。

history

ご由緒

中世に創建されたと伝えられているが、戦乱や災害の被害を受け、史料が伝えられていないため詳細は不明。しかしながら、平安時代前期・9世紀後半に造立されたと考えられている御本尊・十一面観音様をはじめ、平安時代や鎌倉時代に造立されたと考えられている十一面観音様をおまつりしていることから、古代から中世にわたり信仰を集めていたことが分かる。現在、地域の皆さんとともに歴史を紡いでいる。

info

参拝情報

名称
藤島山賢林寺
(ふじしまざんけんりんじ)
所在地
愛知県小牧市藤島町267
googleMAP
参拝時間
堂内参拝は事前にご連絡をお願いいたします。
宗派
天台宗
御本尊
十一面観音
宝物殿
-
アクセス
■公共交通機関
名鉄犬山線『大山寺』駅下車後、徒歩約20分。

■車
一宮ICから出て約6km
駐車場
あり