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玄奘三蔵のご遺骨が眠る

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じおんじ

慈恩寺

埼玉県さいたま市岩槻区

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岩槻人形で有名な埼玉県さいたま市岩槻区。古き良き街並みが残る岩槻区には、令和6年に開創1200年を迎える古刹が伽藍を構えています。観音さまの霊地として創建以来数多くの人々の拠り所となっているだけでなく、西遊記のモデルとなった中国の高僧・玄奘三蔵のご遺骨がおまつりされ、世界中の人々の拠り所となっています。

巡りポイント

観音さまの霊地として数多くの巡礼者が参拝する雄大な本堂。そして、日本人だけでなく全世界の人々が参拝する玄奘塔。開創1200年を誇る慈恩寺にはいつの時代も人々が集い、数多くの人々の拠り所となっています。

本堂

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細やかな彫刻と鮮やかな彩色に彩られる雄大な建築

慈覚大師により創建され、坂東三十三霊場の第12番札所として大いに信仰を集める慈恩寺。現在の本堂は、天保14年(1842)に再建された建物で、平成27年から平成28年に70年ぶりの修復工事が行われ、建立当初の威風堂々とした雄大な本堂の姿がよみがえった。内部の天井には江戸時代の絵師、狩野寿信による天井画のほか、様々な時代の絵師の手による鮮やかな天井画が描かれている。

感想■慈恩寺の境内に入ると私たちを出迎える雄大な本堂。その迫力ある姿に息をのみました。また、建物を構築する部材には非常に緻密な彫刻が施されており、時間を忘れていつまでも見ていることのできるほどすばらしいものでした。

本堂内部におまつりされる様々な仏さま

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巡礼者の祈りを受け止める観音さまと個性豊かな二十八部衆像

本堂にはご本尊の千手観音菩薩をおまつりする。慈覚大師が造立したと伝わる千手観音菩薩像は、江戸時代の寛永11年(1634)に本堂とともに焼失してしまったが、天海僧正により比叡山から千手観音菩薩像が寄進され、現在もおまつりされている。坂東三十三霊場の札所本尊である千手観音菩薩像は現在も数多くの巡礼者の祈りを受け止めている。千手観音菩薩像の両脇には、眷属である二十八部衆像がおまつりされるほか、閻魔大王像や奪衣婆像、鎌倉時代に造立されたと考えられている広目天立像がおまつりされている。

感想■今回訪問した令和6年は慈恩寺が創建されてから1200年の記念の年ということで、ご本尊の千手観音さまが御開帳されていました。金色に光り輝き、優しいまなざしを私たちに向ける観音さまの美しさに圧倒されました。また、観音さまの両脇を固める二十八部衆像の個性豊かな表情も印象に残っています。今回の御開帳にあわせて修復がおこなわれたそうです。

巨大な獅子頭

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かつて祭礼で用いられていた巨大な獅子頭

本堂内陣には、人の背丈ほどある巨大な獅子頭が安置されている。この獅子頭はかつて慈恩寺を構成していた塔頭の一つである幡ヶ崎坊に所属していた僧侶が越後から伝えたものと伝えられ、この獅子頭を用いる獅子舞は関東ささら獅子舞の元祖とされている。かつては秋季大祭の際にこの巨大な獅子頭を担いで檀家をまわっていたという。

感想■その巨大さに圧倒されました。特別に横に立たせていただくと、自分の身長をはるかに超える大きさで、実際にこの獅子頭を担いで檀家さんをまわっていたとお聞きし、人々の信仰の篤さを感じました。

南蛮鉄灯籠(さいたま市指定文化財)

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戦国時代に奉納された貴重な鉄灯籠

本堂の前には天正17年(1589)に岩付城主である北条氏房の家臣である伊達房実により寄進されたという鉄灯籠が残されている。この灯籠には『蝋付け』と呼ばれる技法により文字が鋳られており、当時の貴重な歴史を物語る貴重な文化財である。

感想■戦国時代に寄進されたという鉄灯籠。鉄灯籠に近づいてみると、表面に天下太平を願う祈願文がびっしりと記されていました。戦国時代という乱世の中にあっても平和を願った当時の人々の願いに直接触れることができました。

銅造阿弥陀如来坐像

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江戸大火の犠牲者を追悼する阿弥陀さま

本堂の正面向かって右手側におまつりされている銅造の阿弥陀如来坐像。天和2年(1682)に発生した江戸の大火『八百屋お七の振袖火事』の被災者追悼のために造立されたと伝わる。

感想■南蛮鉄灯籠の近くにたたずむ大きな阿弥陀如来様。江戸時代に造立されたと考えられている阿弥陀さまですが、その造立理由が振袖火災の被災者追悼のために造立されたとお聞きしました。多くの人々からの信仰が篤いお寺であった慈恩寺だからこそ、被災者を追悼する仏さまがおまつりされたのかなと思いをはせました。

玄奘塔

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玄奘三蔵のご遺骨をまつる日中友好の象徴

昭和17年、南京市郊外で西遊記のモデルとなった中国の高僧・玄奘三蔵の遺骨が発見された。その際、中国より日本の仏教会にご遺骨の一部が分骨された。その後、玄奘三蔵とゆかりの深い長安にある大慈恩寺と風景が似ていることにちなみ歴史が始まる慈恩寺にてご遺骨がおまつりされることとなった。塔の外観は伊藤忠太氏、ご遺骨がおさめられている壺は朝倉文夫氏により制作された。

感想■小高い丘の上にそびえ立つ巨大な石塔に圧倒されます。この塔の完成には、数々の奇跡的なご縁の連続により完成したとお聞きしました。日本と中国の友好を示す象徴として、光り輝いているように感じました。私たちが参拝している最中にも外国の方々がお参りに訪れており、世界中の人々の拠り所となっていることを実感しました。

report

学生レポート

立命館大学生命科学研究科3年

中学生までの地元を知る授業の中で慈恩寺というお寺があることを学んでいました。しかしながら、誰がいつ創建し、どのような信仰をあつめるお寺なのか詳しい事は知りませんでした。今回の訪問を通し、有名な慈覚大師により創建されてから1200年の歴史を誇り、坂東札所の一つとしてたくさんの人々から信仰を集める寺院であることを知りました。お話を伺っているときも絶え間なく参拝者が訪れており、いかに人々から大切な場所として認識されているのか、心の拠所となっているのか伝わり、地元にこのような場所があったのかと誇らしい気持ちになりました。
 また、玄奘三蔵のご遺骨がおまつりされている場所に伺ったとき、日本人だけでなく海外から訪れた方々もお参りされていて、日本だけに留まらず世界中の人々の祈りを受け止めるお寺なのだと感銘を受けました。

history

ご由緒

天長元年(824)、慈覚大師によって創建された。慈覚大師が留学した長安の大慈恩寺の風景と似ていることから、慈恩寺と名付けられた。創建以来、観音さまの聖地として信仰が篤く、坂東三十三霊場の第12番札所となっている。また、玄奘三蔵のご遺骨がおまつりされていることでも有名で、国内外から数多くの参拝者が訪れる。

info

参拝情報

名称
華林山最上院慈恩寺
(かりんざんさいじょういんじおんじ)
所在地
埼玉県さいたま市岩槻区慈恩寺139
googleMAP
参拝時間
8:30~16:30
拝観料
宗派
天台宗
御本尊
千手観音
宝物殿
アクセス
■公共交通機関
・東武アーバンパークライン(野田線)「豊春駅」西口より徒歩25分
・(※平日のみ)東武アーバンパークライン(野田線)「東岩槻駅」よりバス「慈恩寺観音」下車
駐車場
有り(無料)